マーケターにとって主戦場となるはモバイルか?デスクトップか?

Facebook、Amazon、Pinterest、Ebay… どのようなサイトでも、おそらく専用のネイティブアプリが存在している。

以前にも増して、ますます多くのユーザーがいつでもどこでもウェブサイトを閲覧しており、この傾向は衰える兆しがありません。すっきりとしたユーザーインターフェースを使って検索をすることがさらに簡単になる一方、モバイルアプリは人気競争で勝利を収めているようです。これを受けて、多くの企業がモバイルサイトの最適化に取り組んでいます。

しかし、アプリであろうと、モバイルサイトであろうと、はっきりしていることが1つあります。モバイルが急速に、デジタルの世界の次なる最前線になってきているということです。 この事実は、今でもモバイルウェブが重要ということなのでしょうか?また、ウェブトラフィックのマーケットシェアを本当に獲得しているのは、どのようなサイトなのでしょうか?

明確な答えを出すために、私たちはSimilarWebを使って2014年6月から11月までのモバイルウェブとデスクトップのエンゲージメントを比較しました。得られた結果に、私たちは驚きました。

モバイルでの検索エンジン

まず明らかなのは、アメリカの2大検索エンジンであるGoogleとBingのトラフィックの大半が、モバイル端末からきていることです。Googleのデスクトップとモバイルのトラフィックの割合は、デスクトップが52%、モバイルが48%と互角。しかし11月になると、統計データは別の様相を物語っています。モバイルのトラフィックが、デスクトップのトラフィック量を上回っているのです。これはGoogleにとって、大きなニュースでしょう。

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しかし、ここには落とし穴があります。

デスクトップユーザーのエンゲージメント率の方が、かなり高かったのです。デスクトップからの訪問は、モバイルと比較すると滞在時間が平均で3倍長く、閲覧ページ数は3倍、直帰率ははるかに低いという結果になっています。このエンゲージメントの矛盾の理由は何に起因しているのでしょうか?

もしかすると、デスクトップで検索している人には検索時間がより長くあり、一方モバイルでの検索は、いつでもどこでも素早く疑問を解決するために使われているのかもしれません。

デスクトップからの訪問のほうが、モバイルよりも高いエンゲージメントを誇っている

デスクトップからの訪問のほうが、モバイルよりも高いエンゲージメントを誇っている

一方、Bing のユーザーエンゲージメントについては、モバイルとデスクトップの訪問で差はかなり小さく、結論としてはモバイルが勝っていました。デスクトップの平均の滞在時間はモバイルと比べて20%長く、モバイルユーザーはデスクトップよりも多くのページを閲覧していたのです。モバイルの直帰率も低く、Bingのユーザーがデスクトップよりもモバイルでの検索を好んでいることを示しています。

Bingユーザーはモバイルからの訪問のほうがエンゲージメントが高い!

Bingユーザーはモバイルからの訪問のほうがエンゲージメントが高い!

Bingはデスクトップと比べてモバイルからのトラフィックは半分くらいしかない

Bingはデスクトップと比べてモバイルからのトラフィックは半分くらいしかない

Bingのユーザーのエンゲージメントは、デスクトップよりもモバイルの方が高いという結果となり、これはGoogleとは正反対です。しかし面白いことに、Googleのモバイルでのトラフィックは、Bingよりもかなり急速に増加しています。さらには、Bingのモバイルのトラフィック量は毎月不安定であるのに対し、Googleでは安定して伸びているのです。

Bingのモバイルユーザーはそれほど増加していない

Bingのモバイルユーザーはそれほど増加していない

各業界のモバイル動向

次に、デスクトップサイトに対してモバイルサイトの形勢がどうなっているのかを確認するために、様々な業種の大手企業に注目しました。

ショッピング業界

ショッピング業界がこれら2つのチャンネルを通してどのように対応しているのかについて、妥当な指標を得るため、私たちはオンラインショッピングサイトの最大手の1つAmazon.comを分析しました。ここでも、モバイルとデスクトップでのトラフィックはかなり拮抗しており、デスクトップのトラフィックが全体の51%を獲得し、わずかに上回っていました。9月には、モバイルサイトへの訪問数が8%増加し、デスクトップのトラフィックを6%上回る結果です。しかし、毎月の動きには同程度の反動があり、10月にはモバイルサイトのトラフィックは下落しています。

デスクトップとモバイルのトラフィックが半々のAmazon.com

デスクトップとモバイルのトラフィックが半々のAmazon.com

デスクトップとモバイルのトラフィックが安定して半々になっている

デスクトップとモバイルのトラフィックが安定して半々になっている

Amazon.comのユーザーエンゲージメント

Amazon.comのデスクトップの滞在時間はモバイルの2倍近くですが、訪問ごとのページ閲覧数はほぼ同じでした。一方、モバイルの直帰率は、デスクトップサイトの直帰率よりも5%高いだけです。この統計上デスクトップとグローバルの拮抗した状況は、2014年7月末まではかなり一貫していました。

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しかし7月末以降、モバイルのトラフィックは滞在時間が急激に下落し、一方で直帰率は上昇しました。これはなぜでしょうか? このころAmazonはモバイルアプリの宣伝を実際に始めており、おそらくはモバイルのユーザーがアプリをインストールすることでモバイルサイトを使うのを完全に止めてしまったのでしょう。

モバイルアプリの宣伝により、モバイルからのトラフィックは滞在時間が急激に下落し、一方で直帰率は上昇した

モバイルアプリの宣伝により、モバイルからのトラフィックは滞在時間が急激に下落し、一方で直帰率は上昇した

ニュース&メディア

ショッピング業界とは違い、ニュースやメディアサイトはモバイルの流行に慌てて飛び乗ろうとはしていません。2014年にはモバイルのトラフィックが確実に増加してはいますが、他の業界とはその規模がかなり異なっています。ニュースサイトは平均で、モバイル端末からのアクセスがトラフィックの35〜40%を占めています。

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ニューヨークタイムズのユーザーエンゲージメント

過去6ヶ月間のnytimes.comのトラフィックのうち、38%がモバイル端末からのものでした。モバイルユーザーは平均で1分半強の時間を費やし、一方のデスクトップのユーザーは17分以上滞在していました。この理由の1つとしては、ニュース記事やブログをデスクトップサイトで読む方が快適であるからかもしれません。長い特集記事を出先で読むには好ましくないのでしょう。

17分もの滞在時間を誇るデスクトップユーザー

17分もの滞在時間を誇るデスクトップユーザー

おそらくこれで、ニュースやメディア業界がモバイルウェブに関して比較的悠長でいられる説明がつくかもしれません。これは重要なことですが、この業界はユーザーがさらに時間をかけて質の高いコンテンツを読むことを望んでいるため、デスクトップの訪問が望ましいのでしょう

ただ、それでもやはりニューヨークタイムズがモバイルアプリを発表した時には、モバイルウェブのトラフィックは下落し、多くのユーザーがアプリをインストールした可能性が示されています。ユーザーは、発表されたアプリが効果的なユーザーインターフェースに改善され、記事が読みやすくなることを望んでいるのでしょう。

ユーザーにはモバイルアプリが求められている可能性

ユーザーにはモバイルアプリが求められている可能性

アート&エンターテイメント

素晴らしいモバイルサイトを持った強力なブランドの典型例として、エンターテイメントサイトのIFC.comを分析しました。IFCのモバイルサイトは、モバイル画面に合うように調整され、非常に操作しやすい数少ないモバイルサイトとなっています。おそらく、この要因がIFCのモバイルサイトでのユーザーエンゲージメントの向上に貢献しており、モバイルサイトではデスクトップからの訪問のエンゲージメント率を上回っています。

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IFC.comのユーザーエンゲージメント

IFC.comのモバイルのトラフィックは常に上昇しており、現在上昇率は37%となり成長を続けています。ユーザーエンゲージメントも上向き傾向にあり、デスクトップよりも長い滞在時間やより多くのページ閲覧数を占めています。繰り返しになりますが、これはIFC.comのモバイルサイトの上手く設計されたユーザーインターフェースがその原因だと私たちは考えています。

IFC.comの上手く設計されたユーザーインターフェースにより、モバイルからのエンゲージメントは高いレベルにある

IFC.comの上手く設計されたユーザーインターフェースにより、モバイルからのエンゲージメントは高いレベルにある

飲食業界

お腹が空きましたか?今ならチリーズに素早く簡単に注文できる方法があります。このアメリカの有名外食チェーンは、モバイルウェブの開発にも取り組んでおり、IFC.comのように高いユーザーエンゲージメントを非常に上手く維持しています。ユーザーは、使いやすいモバイルサイト上で、宅配または取り置き用の料理を注文でき、この利便性が出先での注文を大いに促進することにつながっているのです。良いユーザーインターフェースのおかげで、Chillis.comのモバイルウェブサイトは、ユーザーエンゲージメントの競争でも勝利を収めています。

モバイルからのトラフィックは徐々に上昇している

モバイルからのトラフィックは徐々に上昇している

Chillis.comのユーザーエンゲージメント

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トラフィック戦争で勝利するのはモバイルか、デスクトップか?

モバイルウェブやアプリの成長率が高くなっている一方、ビジネス拡大の手段は一見限りなくあるように思えます。マーケティングのプロや、メディアバイヤー、アフィリエイトマネージャーなどは、モバイルウェブがもたらす有利な機会を探すと良いでしょう。

今後も企業と消費者の両者にとって価値のあるリソースとなるであろうウェブサイトの重要性に異を唱える人はいません。しかしマーケティング戦略は、それぞれのデバイスの種類によって異なったものであるべきでしょう。これは各デバイスのユーザーが異なる動機によって動かされているからで、それゆえに異なる使用パターンがあるからです。例えばモバイル検索の場合、最初のページに表示されるだけでなく、検索結果の上部に表示されることも極めて重要な要素です。ユーザーは、デスクトップのように、無限に続く検索結果表示ページをめくらないからです。

いくつかの例で見てきたように、ユーザーインターフェースが十分しっかりしていれば、モバイルウェブサイトがデスクトップのユーザーエンゲージメントを上回ることは可能でしょう。しかし、人々が毎日平均で3時間近くをモバイル端末に費やしているとはいっても、注意を向けている時間が依然として短いことを覚えておくことも大切です。だからこそ、その時間を無駄にしないようにしましょう。

コンテンツは魅力的に、CTAは行動を誘うようなものに、ディスプレイ広告は刺激的なものにしなければなりません。そしてその全てが、モバイル向けにもデスクトップ向けにも、高度に最適化されなければならないのです。

本記事は『http://blog.similarweb.com/why-search-marketers-should-pay-attention-to-mobile-web-in-2015/』を翻訳・加筆修正をしたものです

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SimilarWeb 編集部

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