集客効果の分析を「競合対比」で行う!トヨタ、日産、ホンダのWebアクセスを比較分析

アクセス解析やアンケートでは難しい、「競合対比のデータ分析」

企業で広告を担当されている方、広告代理店の方などは集客効果の効果測定や調査を普段されていると思いますが、アクセス解析では自社のデータしかわからないし、アンケート調査ではサンプル数や調査項目が少ないなど、いくつか課題を感じていらっしゃる方もいるのではないでしょうか。

今回は、SimilarWeb PROを使って、競合含めたWebサイトへの集客力を分析してみましたので、集客効果分析方法の参考としてご覧ください。

「来訪者の内訳」「競合サイト」「来訪経路」の3つの視点で調査

SimilarWeb PROの有料版で確認できるデータの中から、今回は下記7点のデータを集計しています。特に「競合サイト=前後に訪問した他Webサイト」の情報がわかることもSimilarWebの特徴の一つで、「どこと比較されているのか」というユーザー目線を確認することができます。

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また分析対象として、自動車業界の国内大手3社「トヨタ(http://toyota.jp/)」「ホンダ(http://www.honda.co.jp/)」「日産(http://www.nissan.co.jp/)」を取り上げ、サイトを分析していきます。

安定してアクセスを集めているホンダが1位!

来訪数推移

結論、来訪数を集めているのはホンダ。次いでトヨタ、日産、という順になりました。

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推移を見ると、トヨタとホンダは1~2月、7~8月は拮抗していますが、3月~6月の間はホンダのみアクセス数が減らずに推移している点が目立つ特徴です。

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来訪経路

流入経路に大きな差異はなく、検索による来訪が約6割と非常に大きいのが業界傾向と言えます。

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SimilarWeb PRO toyota.jp

以上の4つのデータからわかることをまとめました。

  • 広告宣伝費では最も少ないホンダが、アクセス数は一番多い。
  • 推移を見ると、トヨタとホンダは1~2月、7~8月は拮抗していますが、3月~6月の間はホンダのみアクセス数が減らずに推移している。
  • 検索による来訪が約6割と非常に大きいのが業界傾向。
  • 直帰率などは拮抗しており、来訪者のモチベーションに大きな違いはなさそう。

データを見ると、検索からの来訪が半数を超えており、社名や商品名などの認知度が大きく影響しそうな印象です。しかし、その点では広告宣伝費はトヨタが抜きんでており、純粋想起率、ブランド認知率の高さなどの力は強そうです。ではどうしてホンダは多くのアクセス数を集めているのでしょうか?

ヨーロッパからの来訪が多いホンダ

国別

国別でみると、フランス、ドイツ、イギリス、イタリアなどヨーロッパからのアクセスが比較的多いのが特徴です。ヨーロッパはホンダが参戦しているF1レースの人気が高く、そういう活動の影響もあるのかもしれません。

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ホンダは、ヤマハ、スズキがライバル!?

来訪前後に訪問しているサイト

次にそれぞれのサイトの「利用者の興味(Audience Interests)」を見てみます。この項目のデータは、該当サイトに訪問したユーザーが、その前後に訪問していたサイトを指しており、さしずめ「他に比較検討しているサイト」と言う解釈ができます。

ここでも、ホンダのみ傾向の違いが見られます。

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トヨタは2番目3番目に「日産」「ホンダ」のキーワードが入っており、日産には1番目に「トヨタ」、4番目に「ホンダ」が入っています。ユーザーにとってもこの3社が競合関係にあることを裏付けます

しかし、ホンダの場合は、2番目に「ヤマハ」、4番目に「スズキ」が入っており、「トヨタ」「日産」は5番目6番目になっています。ここから、バイクと軽自動車のユーザーからの来訪を集めている様子がうかがえます。

  • ホンダと競合しているヤマハの商品は「オートバイ」
  • ホンダと競合しているスズキの商品は「軽自動車」

この2カテゴリーの商品はトヨタブランドにはなく、日産には軽自動車はありますがOEM(他社ブランドの製品を製造すること)による商品です。

対してホンダは、オートバイでは世界一位の生産台数を誇り、軽自動車では近年ヒット車種が出て躍進しています。今年の春には軽自動車本格スポーツカーの新作をリリースしており、軽自動車カテゴリーへの注力度合いが伺えます。

この、商品ラインナップと言いますか、ブランド戦略の違いが、Webアクセス数の違いに大きく反映していたようです。

車種で来訪する日産・ホンダ、社名で来訪するトヨタ

検索キーワード内訳

次に、検索キーワードごとの来訪内訳を見てみます。

SimilarWeb PROでは検索キーワードごとのアクセス比率が確認できますので、そこから割り戻してキーワードごとの来訪数を算出、分類してグラフ化しています。トヨタはトップメーカーらしく、メーカー名での検索来訪が圧倒的に多く、企業としてのブランド力の高さを感じます。

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対して日産とホンダは、車種名検索の比率が高くなっています。特に日産は車種名の比率が高く、検索数の多い車種の内訳には、GTRとスカイラインが入っており、決して販売台数が多いとは思えないこの2車が上位に入るあたりが、ファンの多さを裏付けていると思います。同様にホンダの車種1位はS660という軽スポーツカーでした(今年春にリリースした軽自動車本格スポーツカーの新作)。

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遷移元サイト

リファラー内訳は、インプレス、価格コム、Wikipediaなどが3社サイトへのリファラー元の上位となっていますが、いずれもホンダへの流入比率が5割を超えています。

SimilarWeb PRO toyota.jp

ソーシャルメディアからの来訪

ソーシャルメディアからの流入に大きな差異はなく、春シーズンにトラフィックが増える業界傾向が見えます。

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まとめ:データを通じて、その企業のビジネスカテゴリーも分析する

ここまでの分析からの印象をまとめました。

  • ホンダは普通車のみでなく、軽自動車やバイクもホンダブランドで展開しており、その意味で幅広いユーザーが来訪する土壌がある。
  • 日産やホンダは、メーカーよりも車種にユーザーが付いている。

車やバイクの事情に精通している方からすると、はじめからある程度察しのついていた結果かもしれませんが、自分の知らない業界の分析をするときには、こういう話は良くあります。大きなカテゴリーのくくりでは同業界の企業でも、ビジネスモデルや商品ラインナップに個性があり、ユーザーから見ると全く違う比較側面が出て来ます。

このようなビジネスモデルの違いを把握せずに、数字だけで直接比較をすると分析のミスリードにつながりますので注意が必要です。

今回のように、比較されているWebサイトや検索キーワードなどの中身を見ていくと、そのようなビジネスモデルが見えてくることがありますので、分析する場合には注目してみてください。

ちなみに、トヨタは連結子会社のダイハツと日野自動車のWebサイトアクセス数を合わせるとプラス33万となり、ホンダを上回るアクセス数になります。

最後に、全体を通して個人的な総評を整理しました。

各社からのヒアリングなどを行っていないので、あくまで公開データとSimilarWeb PROを通した各社サイトデータから推察しています。

スライド12

SimilarWebはIP除外していないために、内部アクセスの数も計測してしまいます。今回もトヨタのリファラー1位はBacklogでした。実際のマーケティングに実数として使うには注意が必要ですが、同一条件で比較することを前提として、相対比較ができる点に注目すれば、アクセス解析とは違う視点での分析ができると考えています。

特に、該当業界の方からすると、「こういう視点で見た方が良い」「ミスリードしているのではないか」などのご意見もあるかもしれませんので、その場合はできましたら是非、ご意見お寄せ頂ければ幸いです。

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中川 太

外部ライター/執行役員株式会社ジェネレイト
ソフトバンクとオプトが共同設立した「ジェネレイト」にて、ICTとアドテクノロジーを融合したマーケティング施策のプロデュースを担当、執行役員。それ以前のオプトではクリエイティブ領域の責任者として、クリエイティブの広告効果最大化を推進。クラウドソーシングやA/Bテスト、LPOツールの活用、ウェブ解析の人材育成などを推進。ウェブ解析士マスター(認定講師)。Googleアナリティクス個人認定資格取得。

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