Webのスマホ比率はどのくらい上がっているの? マス系/ネット系の各社モバイルアクセス比率を比較調査

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Webアクセスはどのくらいスマホ化しているのか?

Webアクセスの主役は、昨年あたりから「スマ―トフォン」になったと言われています。

10代など若い世代の中には自宅にPCがない人も増えてきており、固定型デバイスの象徴とも言えるデスクトップPCが自宅にある一般ユーザーは、珍しい存在になった印象があります。

とはいえ、まだまだPC向けのWeb開発やネット広告は盛んに行われています。では一体、現状ではどのような状況になってきているのでしょうか? 今回はコンシューマー向けの企業を主な対象に、主にマーケティングがマス型の業界と、ネット型の業界で各々4業種、計8業種を対象に、各業界上位企業を3社選定してモバイル/PCのアクセス数を調べてみました。

▼調査概要

  • 2015年1月~9月のアクセス数を元に、月平均値を調査
  • 各業界から、売上高などを参考に上位企業を3社選定
  • MobileとDesktopの2つに分けて算出。タブレットはMobileに含む。
  • フィーチャーフォンのアクセスは対象外。
  • 調査対象【マス型業界】
    • 家電メーカー
    • 自動車メーカー
    • 食品メーカー
    • 銀行
  • 調査対象【ネット型業界】
    • ネット証券
    • 旅行
    • ネット通販
    • コスメ通販メーカー

SimilarWebPROでは、モバイルWebアクセス数の確認ができる

Yahoo!mobileサンプル

※Yahoo!Japanのモバイル+デスクトップPCのアクセス(セッション)

SimilarWebPROでは、まだベータ版ながらもモバイルからのWebアクセス数の確認ができます。ダッシュボード上ではPCアクセス数と比較したグラフで確認ができるほか、平均PV、平均閲覧時間、直帰率などの確認も行えます。

ネットアクセスの主役はすでにモバイル

Desctop/mobile比率

まず、マス系(家電メーカー、自動車メーカー、食品メーカー、銀行)とネット系(ネット証券、旅行、ネット通販、コスメ通販メーカー)の比率を集計しました。

結論としては、どちらもおおむね6割がモバイルという結果になりました。個人的にはマス系はもう少し5:5に近い印象だったことと、ネット系は逆にもっとモバイル率が高い印象があったのですが、サービス内容によってはPCの方が利便性が高いものなどもあり(後述)、結果的にはどちらも近しい比率となりました。

もはやスマホはとっくに一般大衆化しており、ネットやデジタルデバイスに詳しい人が主役ではなくなっているということだと思います。

食品メーカーのスマホシフトが顕著。主婦が牽引か?

マス系の業界としては、家電メーカー、自動車メーカー、食品メーカー、銀行の4つをピックアップ。

【家電メーカー】会員化を進めるソニーとパナソニックは5割超え

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この業界では、ソニーとパナソニックの2社が抜きんでてアクセスを集めています。パナソニックはClubPanasonicという会員サービスを充実させており、この部分のアクセス数が多い(38%)ことが傾向として顕著です。

モバイル比率は6割を下回っていますが、家電品はデジタル系も含めて、性能や価格などのスペックを比較して購入する傾向が強く、そのため細かい情報の比較しやすいPCの利用割合が高く残っているのではないかと個人的に思います。

【自動車メーカー】6割超えの自動車メーカー各社

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自動車メーカーはおおむねモバイルアクセスが6割を超えています。各社、ニュース媒体からの流入が多いこと、ブログ含めたソーシャルメディア系のネタになりやすいことなどがモバイル比率が高い要因ではないかと推察します。最近は自動車メーカーのインフィード広告の活用が積極的ですね。

【食品メーカー】スマホ比率が83%と抜きんでいる味の素

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食品メーカーは今回の調査の中でもモバイル比率が高い傾向の業界で、明治76%、日本ハム65%、味の素83%といずれも大きくPCを上回っています。

味の素のWebサイトでコンテンツごとのアクセス数を見てみると、レシピコンテンツ(=AJINOMOTO PARK:レシピ大百科)が充実しており、ここへのアクセスが全体の62.8%と最も高い結果でした。

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レシピコンテンツはキッチンやスーパーなどで見る機会が多いと想定されることから、スマホ比率が結果的に高くなっているのだと考察します。

また、個人的な推察の域を出ませんが、この業界の商品を購入する人は主婦が多いと考えられます。主婦のWebアクセスはスマホ化が進んでいるのではないかと思いました。

【銀行】PC比率の根強い銀行

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今まで見てきた中では、銀行はPC比率が根強くある業界と言えます。ここでもコンテンツごとのアクセスを見てみると、三菱東京UFJと三井住友はログインコンテンツでのアクセスが全体の50%を超えており、口座取引のアクセスニーズが高いと考えられます。

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銀行の口座取引のコンテンツには、振り込みや契約内容の変更などの手続きの操作や確認情報の細かいものも多くあるほか、取引内容の履歴確認など情報量が多いものもあることから、利便性の面でPC比率が高くなっているのではないかと個人的に考察します。

ただし、各行アプリ化が進んでおり、家庭へのタブレット端末の浸透と相まってモバイル比率は早晩高まると考えます。

特別な例を除くとモバイル比率は7割超えのネット系

ネット系の業界としては、ネット証券、旅行、ネット通販、コスメ通販メーカーの4つをピックアップ。

【ネット証券】モバイル比率が4割以下と低い

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世の中のスマホ化に反して、PC比率の高い業界がネット証券系でした。サービスのネットシフトが早かった業界ですが、ログイン率の高さを見ると、証券取引の細かく量の多い情報、手続きの細かさなどを考えると、PC比率の高さも当然かもしれません。

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SBIはサブドメの分類内容の確認ができなかったのですが、楽天證券は38%、松井証券は64%がログイン系へのアクセスとなっています(黄色マーキング部分)。

ちなみに、ネット系に限らず、証券系はスマホでWebサイトにアクセスすると「PC版の閲覧はこちら」というボタンが設置されていることが多くあります。

【旅行業界】モバイル比率が7割超えと高い。スマホ最適化も充実

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各社とも70%を超えており、スマホニーズが高い業界。

比較検討によるアクセス頻度が高く、商品的にSNSとの相性も良いなど、理由はいくつか考えられると思います。各社Webサイトを見ていると、ナビゲーションやフォームなども含めたスマホ対策の充実度の高さも強く感じました。

【ネット通販】意外にもモバイル比率がそれほど高くないアマゾン

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アマゾン、楽天のアクセス数が圧倒的なボリュームのネット通販業界。月間約3億セッションあります。楽天、ベルメゾン共にモバイル7割超えしているのですが、アマゾンは58%と以外に低い印象です。

スマホはアプリにリダイレクトする作りになっているので、今回の計測範囲外なのかもしれません。

【コスメ通販メーカー】モバイル7割な中、オルビスは9割超え

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オルビスの9割超えが突出している印象です。

この業界はプロモーションに積極的で常に試行錯誤されていることが多く、戦略的に時期によってもいろいろな手法と取られることがあります。新規重視、既存重視、LPは別ドメイン、CRM重視など、その実施方法によってもモバイル比率は変わってくると思います。

まとめ

数字の前後や、その要因の違いなどはありますが、モバイル比率が高まる傾向にあることは共通していると思いました。

PCよりも時と場所を選ばないスマホやタブレットは、消費者とのオムニチャネル化には重要であり、この数字を伸ばせるかはここ数年のマーケティングにおけるポイントになると考えます。

以下、個人的な意見も含めて、今回の調査を通じた考察を述べます。

1)Webサイトはスマホ/タブレットからまず設計する。

調査した24社のWebサイトはすべて、恐らくPCサイトからまず設計し、それを元にスマホ化しているように感じました。カテゴリー(ナビゲーション)の構造、画像などのパーツ類、コンテンツの作り方等が、PC主体という印象を受けました。

また、LINEやfacebook等が主流の時代にあって、フォーム(=メール)が問い合わせの中心であることも、ユーザーからすると旧世代的に感じられるのではないかと思いました。

2)操作の複雑なものは、アプリ化を進める。

調査の中では、金融系業界のスマホ比率が比較的低かった印象があります。金融系サービスは必然的に、手続きのステップや項目、情報などがいずれも細かく量が多い傾向があります。この業界の方にお話しを伺ってみると、各社で注目されているのがタブレット対応やサービスのアプリ化です。タブレットは富裕層での浸透度が高いこともあり、金融業界の優先度との相性も良く、タブレットやアプリで各種手続きの利便性を上げるための取り組みを進められていました。

3)レイアウトよりも写真やテキストに力を入れる。

調査で各社Webサイトを見て気づいたのが、写真とテキストの重要性です。特にスマートフォンの場合、スクリーンの横幅が狭いためにレイアウト要素は横幅一杯で縦一列に並ぶことが主流になっています。こうなるとPC用Webサイトのようにレイアウトに凝れる余地が圧倒的に少なくなります。小さいモニターでユーザーベネフィットやインパクトにおいて差が出るのが、写真やテキストです。スマホファーストでWebサイトを構築する場合は、レイアウトよりも写真やテキストに力(=予算)を割くことが重要だと個人的に考えます。

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SimilarWebはIP除外していないために、内部アクセス数も計測してしまいますので、実際のマーケティングに実数として使うには注意が必要です。しかし、同一条件で比較することを前提として、相対比較ができる点に注目すれば、アクセス解析とは違う視点での分析ができると考えています。

特に、該当業界の方からすると、「こういう視点で見た方が良い」「ミスリードしているのではないか」などのご意見もあるかもしれませんので、その場合はできましたら是非、ご意見お寄せ頂ければ幸いです。

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中川 太

中川 太

外部ライター/プロダクト本部 本部長株式会社ジェネレイト
ソフトバンクとオプトが共同設立した「ジェネレイト」にて、ICTとアドテクノロジーを融合したマーケティング施策のプロデュースを担当。それ以前のオプトではクリエイティブ領域の責任者として、クリエイティブの広告効果最大化を推進。クラウドソーシングやA/Bテスト、LPOツールの活用、ウェブ解析の人材育成などを推進。ウェブ解析士マスター(認定講師)。Googleアナリティクス個人認定資格取得。

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