オシャレでつながる『WEAR』! 話題のファッションSNSの成長の秘密は「ユーザーとの共創」と「秀逸な導線設計」にあり

みなさんはファッションコーディネートサイト「WEAR」をご存知でしょうか?

「WEAR」とはファション通販サイトZOZOTOWNで有名な株式会社スタートトゥデイが運営するファッションコーディネートサイト。日々、様々なコーディネートが更新され、ユーザーはそれを参考に毎日のおしゃれを楽しむことができるというもの。簡単に言うと、ファッション雑誌をパソコンやスマホで観ている感覚のサイトです。

ただ、雑誌と決定的に異なるのは「ファッションモデル」が事務所に所属しているモデルや読モ、著名人だけでなく、全国の人がモデルになれるという点です。一般人の誰もが自分のファッションを投稿でき、それを全国のユーザーに紹介できるのです。

そんな「WEAR」は、今では月間利用者数が600万を超え、大きく飛躍しています。一体そこにはどのような秘密が隠されているのでしょうか。調べてみるとそこには「ユーザーとともに共創」し、「秀逸なWeb上の導線設計」で売上をあげる驚異のマーケティング力が見えてきました。

ユーザーとの共創!『WEARISTA(ウェアリスタ)』の影響力でアクセス数は2.5倍

まずは、WEARとZOZOTOWNのアクセス数の増加推移を見ていきましょう。

WEARとZOZOTOWNのアクセス数の動きはとても似ており、アクセス数増加のタイミングまでも類似しています。

ZOZOTOWNおよびWEARのアクセス数:SimilarWeb PROの調査より

両サイトとも、15’6月からアクセス数が増加し続け、ZOZOTOWNは15’6月〜16’1月までで1.7倍のアクセス増加、WEARはなんと2.5倍ものアクセス数が増加しています。

この急上昇の裏では、どのようなマーケティングが行われたのでしょうか?

その秘密の鍵を握るキーワードと言えるのが「WEARISATA(ウェアリスタ)」です。誰もが自分のファッションを投稿できる「WEAR」内では、ユーザーから多くの支持を集めている人気投稿者が存在します。「ウェアリスタ」とは、そのような影響力のあるユーザーに対して運営元が公式で認定した人たちのことを言います。Yotubeで言う「Youtuber」、Instagramで言う「Instagramer」のようなものでしょう。

ウェアリスタ紹介ページより

上記画像URL:http://wear.jp/news/sponsorship/

運営元のスタートトゥデイは、15’6月までに新たに100人のウェアリスタを認定し、計200人のウェアリスタと1年間のスポンサー契約を結びました。彼らにZOZOTOWNで使えるポイント毎月10万円分を付与することで、投稿頻度および質の向上をしていくようモチベーションを上げ、さらにWEARユーザーの増加を計ったと思われます。

このように影響力のあるユーザーを認定し、「WEAR」というプラットフォームをともに盛り上げる共創の姿勢が大きく効果を上げています。

優れたSEO対策が行われている「WEAR」

「ユーザーとの共創」についてのWEARの取り組みを紹介しましたが、次はWEBマーケティングにおいて地味だけれどとても重要な「導線設計」を見ていきます。

ただ、その前に「WEAR」がどこでマネタイズをしているかを確認しておきます。もともとスタートトゥデイは国内でも屈指のファッションECサイト「ZOZOTOWN」を運営しており、そこでの服飾品が主な売上です。

そこで「WEAR」はどんな役割をしているかというとWEARからZOZOTOWNへサイトの流入経路をつくり、よりZOZOTOWNでのユーザーを増やすような設計をしています。つまり、「WEAR」ユーザーが増えれば増えるほど、「ZOZOTOWN」での売上が上がるという仕組みです。実際、すでにWEAR経由でのZOZOTOWN売上は10億円を突破しています。

では、「WEAR」自体の流入元はどこからきているのでしょうか。ここでは次の2つの視点から見ていきましょう。

  • どのような検索キーワードで流入しているのか?
  • どのようなサイトから流入してきているのか?

服に関するキーワードはほぼ「WEAR」につながる

WEARへの検索キーワードを調査したところ「服の種類(例:チェスターコート、デニムジャケットなど)」および「ブランド名と服の種類」による検索が58%を占めました。また、ウェアリスタの個人名による検索11%見られ、その人気ぶりを象徴している結果です。

WEARへの検索キーワードTOP100

※Last 28Days

ためしに検索キーワードで上位のワードで検索してみると、WEARもしくはZOZOTOWNが上位に表示されます。現在のWeb上で服に関するキーワードで検索すると、高い確率でどちらかのサイトが上位表示される状況になっており、秀逸なSEO対策を敷いていると言えるでしょう。

もちろん、服に関するキーワードによっては、ファッションについて特集されたキュレーションサイトが上位表示される場合も多々あります。ただし、より深く調査するとこのキュレーションサイトへの流入もWEARとZOZOTOWNのアクセス増加に寄与していることがわかりました。

「WEAR」の入り口はキュレーションサイト

次に、WEARがどのようなサイトからに流入しているのかを見ていきます。

WEARのリファラル分析:SimilarWeb PROより

一番多い流入元はZOZOTOWNからでしたが、特徴的なのはそれ以降。流入元10位のうち、6個はキュレーションサイトが占める結果となりました。

続けてZOZOTOWNの流入元も調査してみると、WEARと同じような結果になります。

一番の流入元は「男性向けキュレーションサイト」

WEARほどではないですが、分析してみるとやはり流入元の上位にはキュレーションサイトが表示されました。しかも、1位はWEARを抑えて男性をターゲットとしたキュレーションサイト、タスクラップメンが1位になるという結果に。

ZOZOTOWNのリファラル分析:SimilarWeb PROより

先ほどの検索キーワードの調査より、服に関するキーワードで検索すると上位表示されるのはWEAR、ZOZOTOWN、キュレーションサイトとなっていました。

したがって、現在のWeb上では服に関するキーワードで検索し、上位に表示されたどのサイトに飛んでも、最終的にはWEARもしくはZOZOTOWNにアクセスされるルートが確立されつつあります

WEARおよびZOZOTOWN購入ルート構図

WEARもしくはZOZOTOWNのアクセス数が増えれば、購入に至る可能性は高くなります。服に関するキーワードで検索した時点で、知らぬ間にユーザーは購入ページまで続くルートに乗ってしまっているわけです。

ZOZOTOWNの購入ルートには出口がない

購入までのルートに乗ったからと行って、その出口(サイトからの流出先)が全て購入ページではありません。そのほとんどは他のサイトに離脱しているはずです。では、どこに離脱しているのでしょうか?

出口は「SNS」! なぜ?

WEARとZOZOTOWNの流出先を調査してみると、その多くはSNSに流出していることがわかりました。

WEARおよびZOZOTOWNの出て行く先リンク:SimiarWeb PROより

これらの動きの原因は、以下の二つのタイプに分かれるのではないかと推測します。

  • ウェアリスタのSNSに飛んでいる:WEARからウェアリスタのコーディネイト一覧ページに飛ぶと、彼らのSNSページに飛べるサイトマップになっているため、ユーザーの多くはそこに飛んでいる。
  • 買おうとしている服はトレンドなのか:ZOZOTOWNで自分好みの服を見つけた後、そのまま購入するのではなく、その服が流行っているのか確認するために一旦離脱し、SNSで調査しにいっている。

したがって、これらSNSを含めた購入までのルートは以下のようになっていると考えられます。

WEARおよびZOZOTOWN周辺の購入ルート構図

どうでしょうか?

ZOZOTOWNでの服の売上を上げるために、スタートトゥデイは「秀逸な導線設計」を行っていることがわかります。SNSがユーザーの服に関する情報源となり、情報の収集または流行かどうか確認した上で、WERAとZOZOTOWNの購入ルートに戻ってきている。このような購入ルートを設計し、売上を上げているのでしょう。

「WEAR」は誰もが使う定番SNSとなるか?

さて、これまでウェアリスタという「ユーザーとの共創」、検索からWEAR、そしてZOZOTOWNへつなげる「秀逸な導線設計」を見ていきました。

最後に、WEARユーザーは1日の中でいつWEARを利用しているのか、を調べてみます。ここではWEAR“アプリ”使用時間帯の分析です。

WEARアプリとライフスタイルカテドリーとの一致度:SimilarWeb PROより

SimilarWebのライフスタイルアプリカテゴリーに入るWEARは、15~18時にかけて多く使われる同カテゴリーのアプリとは異なり、21~23時に利用されていることが多いようです。

ところが、比較するカテゴリーデータを変えて分析してみると、驚くほど動きが似ているカテゴリーがありました。それがこちら。

WEARとソーシャルカテドリーとの一致度:SimilarWeb PROより

分析すると、ソーシャルアプリカテゴリーとの使用時間帯の一致度は97%。ちなみにライフスタイルとの一致度は70%でした。(こちらの一致度の比率はグラフのデータを取得し、相関関数を用いて導き出した数値です)

この数値から考えるに、WEARユーザーはfacebookなどのSNSと同じようにWEARを使用しているということです。これから「WEAR」は、TwitterやFacebook、Instagramなどの定番SNSとして定着するかもしれません。

まとめ

筆者もWEARユーザーの一人であり、コーディネートに困った時などはよく利用しています。

アプリ分析でWEARの使用時間がソーシャルアプリと重なっている結果には驚きましたが、私がWEARを使っている時間を思い返してみると、SNSを使っている時にWEARも同時に開いてる時が度々あります。

とは言え、WEARのユーザー数はTwitterやFacebookなどの有名なSNSに比べるとまだまだ少ないです。今後も優れたマーケティング力でユーザー数を増加し続け、定番のSNSとして定着できるのでしょうか。注目です。

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原澤陽

大学2年次の2015年7月より、株式会社ギャプライズに長期インターン生として入社。 大手企業4社のSNS広告運用 / 分析 /企画およびマーケティング施策の提案 / コンテンツ作成に従事。 Facebookビジネスマネージャーを用いたSNSディレクション、SRM(Social Relationship Management | Social Marketing | Oracle)によるリスニング解析、SimilarWeb PROによるWeb解析を得意とし、ノウハウとツールを掛け合わせたWebマーケティングソリューションを行っている。

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