質の高いレビューなら『映画.com』より『Filmarks』!? アクセス解析から見えるユーザー層の特徴とは。

みなさん、映画はお好きですか?

アクション、SF、ラブストーリー、ヒューマンドラマなど映画のカテゴリは多岐にわたり、また人によってその好みや評価はさまざまです。

自分好みの映画を見つけるために、一般ユーザーのレビューやレーティングが掲載されている「映画レビューサイト」を利用している方も多くいることでしょう。

数多ある映画レビューサイトの中でも急成長を遂げているのが「Filmarks」です。TSUTAYAを直営するカルチュア・コンビニエンス・クラブと昨年8月から業務提携し、映画レビューサイト業界に新たな風穴を開け始めている注目のサービスなんです。

今回はそんな「Filmarks」と映画レビューサイト界ダントツのアクセス数を誇る「映画.com」を、競合分析ツールSimilarWeb PROを用いて解析!

やっぱり映画好きはFilmarksに集まっているのかも(?)しれません。

PCサイト・アプリ共にFilmarksが数値で上回る。

アクセス数ではやはり「映画.com」が圧倒的

両者のアクセス数を比較してみたところ、その結果は桁違いの差となりました。
映画.comとフィルマークスのアクセス数比較

Filmarksは年々アクセス数を伸ばしているものの、映画.comのアクセス数にはまだまだ遠く及びません。

映画.comのSEO対策は万全であり、「映画」というビッグワードでのアクセスシェアは圧倒的です。

映画.comのSEO対策

今度はアクセス数のような量的な観点ではなく、閲覧時間や回遊ページ数などの質的な観点から見てみましょう。

すると、Filmarksが年々支持を集めてきていること、またその理由が見えてきました。

映画.comとフィルマークスのエンゲージメント比較

上記の表は各サイトのエンゲージメント(1日平均アクセス数、視聴時間、ページビュー数、直帰率)を示したものです。

平均視聴時間、ページビュー数ではFilmarksの方が数値で上回っています。加えて、上記のデータはデスクトップ(主にPCからの流入)とモバイル(スマホやタブレットからの流入)からのアクセス合算の数値です。

これを、デスクトップからの流入のみにフィルターをかけて調査してみると・・・

映画.comとフィルマークスのエンゲージメント比較(デスクトップからの流入) 直帰率の数値が逆転しただけではなく、平均視聴時間とページビュー数の数値差もさらに上がっています。

では逆に、モバイルからのアクセス外観はどのようになっているのか?

映画レビューサイトの新スタンダードはアプリ!

全ての項目において映画.comが勝っています。

映画.comとフィルマークスのエンゲージメント比較(モバイルからの流入)

両者ともモバイルにおけるエンゲージメントが低下しているのは、スマホアプリが原因だと考えられます。

両者ともスマホアプリを開発しており、アプリストア内の評価は共に高い評価を受けています。

googleストアによる映画.comとフィルマークスアプリの評価比較

(引用元:https://play.google.com/store

スマホにおけるFilmarksユーザーのほとんどがアプリを使用しているため、エンゲージメントが低い数値となっていたのですね。裏を返せば、スマホサイトにおける数値が高かった映画.comはアプリに乗り換えきれていないとも取れます。

Filmarksアプリは6分も長く使用されている!

アクティブユーザー(インストールから一定の期間たってもアンインストールしていないユーザー)の「1日あたりの使用率」や「アプリ使用時間」はFilmarksが上回りました。

映画.comとフィルマークスアプリのアクティブユーザー動向比較

映画.comとフィルマークスアプリの平均使用時間比較

さらに、Filmarksアプリの高評価を決定付けるのがリテンション率(アプリインストール後、アンインストールせず使い続けたユーザーの割合)の高さです。

映画.comとフィルマークスアプリのリテンション比較

これらのデータからFilmarksのサイトおよびアプリはアクセス数が少ないながらも、使用者からは高い評価を受けていることがわかります。

では、Filmarksはどのようにして映画好きユーザーを獲得したのでしょうか?

ユーザーが両サイトに対してどのような興味を抱いているのかを分析していきます。

SNSで拡散することでさらなるユーザー確保へ

流入傾向はダイレクトと自然検索がツートップ

両者の流入方法を調査したところ、Filmarksは直接流入映画.comは自然検索による流入が多いことがわかりました。

映画.comとフィルマークスのリファラル比較

前述の通り、映画.comは自然検索流入において圧倒的な強さを誇っています。ですから、自然検索からの流入が最も多いという結果も納得ですよね。

今度はFilamarksを見てみましょう。直接流入の割合が大きいですね。その理由としては、ブックマークやURLをダイレクトに打ち込んだということが考えられます。

一番多い効果を与えているのはFilmarksアプリ内の「News」欄だと考えられます。

アプリ内のコンテンツですが、「News」欄はクリックすると検索エンジンを通さずにFilmarksサイトにつながるようになっています。

フィルマークスアプリの構造説明

Filmarksアプリユーザーが「News」コンテンツを多く見ているため、直接流入が多い結果となっているので、検索エンジンを用いたことによる結果ではなさそうです。

SNSが映画レビューサイト認知拡大のカギとなるか?!

両サイトの流出先を調べてみると、ここにも異なる動向が見られました。

映画.comとフィルマークス流出先比較

映画.comは映画情報(上映中映画の公式サイトなど)、シアター(映画館公式サイト)など、上映中の映画に関する情報へ流出しているユーザーが多いことが分かります。

一方、Filmarksの流出先の75%はSNS。映画を見る→レビューする→SNSでシェアする、といったフローができています。そのシェアを見たフォロワーがFilmarksを認知する、というような導線も確保されています。

SNSシェアがもっと拡大していくと、Filmarksユーザーは今後増え続けていくかもしれません。

『キャロル』は人気1位?それとも9位?

SimilarWeb PROの「人気ページ」機能を用いて、2016年1月〜3月における両サイト内2,000以上のドメインの中から、アクセスの多いページを調査しました。

その中からさらに「映画詳細」のみに絞ってランキング付けしたところ、興味深い結果が取れました。
映画.comとフィルマークス人気ページ比較

アカデミー賞主要6部門にノミネートされた「キャロル」の順位が大きく異なった上、他の映画に関してもアクセス数順位が異なっています。

また、Filmarksでは上映終了している作品もランクイン。文頭でも少し触れましたが、FilmarksはTSUTAYAを経営しているCCCと提携しているため、レンタルが開始したばかりの人気映画はアプリ内で強くプッシュされます

そのため「5位:マイ・インターン」「7位:キングスマン」と過去の作品が上位にランクインしているのです。

レビューの点数は両サイトともさほど差はありませんでしたが、このランキングから両サイトユーザーの興味・関心の観点は少し異なる可能性が見えてきました

映画リテラシーが高いユーザーはFilamrksに集まる?

ユーザーが同一セッション内で閲覧しているWebサイトやトピックを表示できる「利用者の興味」を用いて、両サイトの違いを探っていきます。

映画.comユーザーは「映画情報」を軸に回遊

映画.comの同一セッション比率

映画.comの同一セッションの大半を占めたのは大きく分けて3つ。

  • 【映画情報】映画.com同様に、ユーザーが映画レビューを記載したものや、上映中の映画ランキング、映画に関するニュースなどを記載したサイト
  • 【映画館】TOHOシネマズ、109シネマズなどの、映画館公式サイト
  • 【ニュース】映画情報限らず、エンタメやドラマ情報、海外ニュースなどを含んだ情報系サイト。

ほとんどが映画に直結するようなサイトが目立ち、映画.comユーザーは常に映画の情報や上映に関する情報を探しています。

Filmarksユーザーは「エンタメ・娯楽情報全般」を回遊

一方、フィルマークスユーザーの同一セッションは大きく分かれました。

フィルマークスの同一セッション比率

  • 【個人ブログ】FC2ブログ、または個人のURLを持ったブログのサイト。
  • 【ファッション・レストレン系】アパレルブランドの公式ページやチェーンではないカフェ・レストレン系統のサイト。
  • 【音楽関連】歌詞、作曲、CD販売、クラシック音楽の情報サイト関連のサイト。
  • 【読書関連】自身の読書管理ツールのサイト、読書のブックマーク関連などのサイト。

映画.comとは大きく異なり、映画関連に限らず他分野のドメインも目立ちました

過去の作品詳細を知りたいならFilmarksへ

これまでの分析から、各サイトには異なる趣向を持ったユーザーが存在するといえます。

  • 映画.comユーザーは近日中に映画館で映画を見たいユーザーが多く集まり、過去の作品詳細を調べているユーザーは少ないようです。極端な言い方ですが、映画そのものが好きな人たちというよりも、CMや広告などで見た流行の映画に注目しているユーザーが集まりやすいと考えられます。
  • Filmarksには全体的に映画リテラシーの高いユーザーが占める割合が高いのではないでしょうか。彼らは映画情報だけでなく、映画評論家のブログ、音楽や読書関係のサイトを同一セッション内で閲覧しています。人気ページの分析から過去の作品にも興味を持っていることも分かっています。以上から、Filmarksユーザーは映画を趣味の一環として捉えている可能性が高く、同時に映画リテラシーが高い可能性も秘めていると言っても過言ではないでしょう。

少なくともFilmarksには人気映画だけでなく過去の映画にも強く関心を抱いているユーザーが多いことは確かです。Filmarksのレビューは映画好きによるものが多く、より参考になるのではないでしょうか。

流行り廃りに強い「映画.com」映画好きによる映画好きのための「Filmarks」。両者のレビューを比べて多角的に映画を楽しむのも乙なものかもしれませんね。

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原澤陽

大学2年次の2015年7月より、株式会社ギャプライズに長期インターン生として入社。 大手企業4社のSNS広告運用 / 分析 /企画およびマーケティング施策の提案 / コンテンツ作成に従事。 Facebookビジネスマネージャーを用いたSNSディレクション、SRM(Social Relationship Management | Social Marketing | Oracle)によるリスニング解析、SimilarWeb PROによるWeb解析を得意とし、ノウハウとツールを掛け合わせたWebマーケティングソリューションを行っている。

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