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競合サイト分析ツールを用いた「業界分析」は中々手間がかかかります。
SimilarWeb PROの「業界分析」機能を用いると一度に10,000ものドメインを獲得でき、アクセス動向からトラフィック関連の情報まで取得できます。
しかし、単月毎のデータでしか業界内サイトを比較できないかつ一気に大量のサイトを比較しにくいのが業界分析機能の欠点です。
そこで今回は「API」とSimilarWeb PROを用いて、これまで手間がかかっていた業界分析を簡単にできる方法をご紹介します。
SimilarWeb PROからデータをインポートし、APIに組み込む
APIとは?
APIとは、アプリケーションプログラムインターフェイスの略語で、プログラミングの際に使用できる命令や規約、関数等の集合の事を指す。ソフトウェア開発の際、いちから全てを作るより、APIを利用すればもともとあるプログラムを呼び出して、その機能を組み込んだソフトウェアを開発することができる。
このAPIを利用することでWeb上におけるデータの検索などに役立ちます。amazonや楽天などのECや、Twitterなどの大手SNS企業も各社独自のAPIが一般に公開されています。
(今回の記事で利用するAPIはSimilarWeb社が独自に開発したものになります。)
SimilarWeb PROでどのような業界分析が可能なのか?
業界分析機能を用いると、その業界のアクセス数ランキング、多く用いられるキーワードなど業界全体の動向を俯瞰してみることが可能です。
例えば「Shopping Category」においてSEOに強いサイトはどこなのかを対比して閲覧してみると・・・
競合または同様のサイトを最大10,000ドメインまでまとめて確認できます。
しかし、確認できるデータは1ヶ月前の結果のみです。つまり、一定の期間でどれくらい数値が変化したのかを確認するには気になるサイトを抽出し、それらを一つ一つSimilarWeb PROのサイト分析で調査しなければ確認できません。
これらの業界全体のデータを一気に確認したい際にAPIを利用します。
SimilarWeb PROからインポートし、APIに組み込む
先ほどのShopping Categoryにおけるデータをエクセル上にインポートします。
ここで抽出した大量のドメインをコピーし、APIにペーストします。
あとはAPI内の期間やフィルターを調整することで、業界全体の動向をアクセス数、滞在時間などのデータ別に確認することができます。
実際の活用事例
では抽出したデータをどのように分析していくのかを、先ほど抽出したShopping Categoryのデータから実際に分析していきます。
活用方法1.アクセスの変化からベンチマークすべきサイトを抽出
Shopping CategoryではECサイトや価格比較サイトなど、商品を購買するのに直結するようなサイトが目立ちます。
これらのサイトが去年の7月と今年の7月でどの程度アクセス数が変わったのか分析し、直近でアクセス数を伸ばしているサイトをピックアップしていきます。
直近でアクセスが伸びているサイトを抽出
2015.07.01→2016.07.01
1年でアクセス数の順位に変化が起こっていますね。ここでアクセス動向が気になるサイトをピックアップしていきます。
今回はアクセス数順位をキープした23列のyodobashi.com、アクセス数を伸ばしている36列のjoshinweb.jpと37列のbiccamera.comの電化製品ECをピックアップしてさらに詳細を見ていきます。
抽出したサイトはなぜアクセスをのばしているのか
さきほど抽出した3つのサイトがどのような流入ルートから入ってきているのかを分析していきます。
joshinwab.jpは「mail」からのトラフィックを1年間で13ポイント伸ばし、biccamera.comは「Direct」と「Organic Search」でポイントを挙げています。
ここからさらに各サイトのトラフィック詳細を調べたい場合は、サイト毎にSimilarWeb PROにて調査していき、そのサイトがなぜアクセス数を伸ばせたのか深堀していきます。
特定のサイトを詳しく分析した例はこちらの記事を参考にしてみてください。
- nanapiのアクセスが全盛期の半分いん落ちていることについて「本当に」詳しく書いていきたい。
- オシャレでつながる『WEAR』! 話題のファッションSNSの成長の秘密は「ユーザーとの共創」と「秀逸な導線設計」にあり
活用方法2.映画情報サイトに流入したユーザーはどこに流出しているのか?
今度はユーザーがどこに流出しているのかをAPIを用いて調査していきます。
さきほど同様SimilarWeb PROの業界分析を開き、今回はCategoryからMoviesを選択。これをエクセル上にSEO検索流入上top100をインポートしてAPIにペーストし、各サイトの流出先を調査していきます。
これだけですとあまりにも調査対象ドメインが多いので、ページ内検索を利用してどのドメインが多用されているのかを調査していきます。
映画情報サイトトップ100のうち、流出先で最も多かったのは「twitter」の28件でした。映画情報サイトの公式Twitterアカウントやサイト内コンテンツからTwitterに流出していることが多いかと思われます。
twitter以外にはamazonなどのドメインも目立ちました。
- 「amazon」/24件
- 「youtube」/21件
- 「facebook」/18件
- 「instagram」/8件
- 「ameblo」/5件
amazonのドメインはアクセス数上位サイトによく見受けられました。ユーザーは映画情報サイトからamazonに流れ、そこでDVDなどの購買まで流れているであろうことがこのデータから見えてきます。
またTwitter以外にもFacebook、InstagramのSNSに関するドメインも目立ちます。ここから、映画選びに失敗したくないユーザーにとって各映画情報サイト内だけの情報だけでなく、SNS上で興味のある映画のレビューや所感を確認しに流出している、などの仮説もデータから見えてきます。
(質の高いレビューなら『映画.com』より『Filmarks』!? アクセス解析から見えるユーザー層の特徴とは。)
このように、情報サイト周りの経路を俯瞰してみることでその業界の流行などが見えてきます。さらに流入元の調査も行えば、その業界ではユーザーがどのような動きをしているかを分析できます。
まとめ
今回ご紹介した活用事例はほんの一部です。SimilarWeb PROではサイトだけではなくアプリのデータもインポートできるため、流行のアプリを調査する際にもAPIは役立ちます。
業界分析後の競合調査の手順はこちらの記事を参考にしてみて下さい。SEO対策も兼ねた競合調査手順をご紹介しています。
*SimilarWebを利用したライバルサイトの競合調査手順まとめ
今後も他のツールと組み合わせた分析方法をご紹介していきます。

Yo Harasawa | Gaprise.Inc Communication Design Div
