徹底分析!海外の銀行市場を紐解く

海外進出や海外ビジネスの展開・拡充を考えている企業の皆様は沢山いらっしゃると思います。そんな時にまず焦点になるのは海外の市場分析やマーケットトレンドの把握ではないでしょうか?日本で成功していてもその手法が海外でそのまま通じるとは限らない以上、ターゲットとしている国にはどの様な競合プレーヤーがいるのか、何がトレンドになっていて、そもそもどこにビジネスチャンスがあるのか、は事前に押さえておきたいポイントですよね。

オンライン上での競合分析や業界分析など様々な強みと活用範囲を持っていることで知られるSimilarWeb(シミラーウェブ)ですが、その大きな強みの一つに全世界から膨大な数のビッグデータを取得していることが挙げられます。日本国内のみならず、海外の市場分析や業界分析を行えるプラットフォームは他を探してもなかなか見当たりません。

そこで今回の記事では、銀行業界を例にSimilarWebの有償版であるSimilarWeb PROを活用した海外の市場分析に焦点を当ててみたいと思います。

※本記事に使用しているデータはSimilarWeb PROによって計測された統計データ、類推データを含みます。

グローバルマーケットを俯瞰する

銀行口座の開設に始まり、国内外の取引先向けの振込・送金や従業員への給与支払、銀行融資に至るまで、ビジネスの様々なシーンで登場する銀行ですが、規模の大きさを図るのであれば店舗数や総預金残高、総資産額を比較すれば良いでしょう。一方、銀行業界でもFintechをはじめとしたITの革新が目まぐるしく進む中、デジタルやWeb上の世界では何が起こっているのか、従来の角度とは違う視点から市場分析を行ってみることも必要になってきます。

図1は、2016年4月から2017年3月までの12ヵ月間を対象に、銀行業界における全世界のWeb上のアクセス数*総計(海外を含む全世界の銀行HPへのアクセス数総計)を示したものになります。マーケット全体の規模としては、Web上のアクセス数の総計が300億超であり、デスクトップPCが約65%、モバイルWeb(APPを除く)が約35%という割合になりました。(*アクセス数の定義はGoogleAnalyticsでの「セッション数」と同じ定義になります。)

(図1)アクセス総数とPC/モバイルシェア

まず、2016年4月から2017年3月までの過去12ヵ月間の推移(図2)を見るとアクセス総数は安定してほぼ横這いであることが伺えます。

(図2)過去12ヵ月間のアクセス数推移

では、国別にアクセス数をブレイクダウンしてみるとどうなるでしょう?海外の国別の市場規模を図る図3の国別アクセス数ランキングでは、米国が全体の30%超を占めており、次いでインド、英国、ポーランド、ロシアの順となっていました。これらのTop5ヵ国で凡そ188億を超えるアクセス数を獲得しており、全体の60%超を占めていることが分かります。

(図3)国別アクセス数ランキングTop5

次に、トラフィックソース別にアクセスランキングを分析してみましょう。ブックマークやURLの直接入力からのアクセスを表す直接流入(Direct)が過半数を占めており、次いでリファラル(Referrals)が約25%、自然検索(Organic Search)が約16%と、この3つのソースがアクセスの大宗を占めていることが分かります(図4)。

(図4)トラフィックソース別のアクセスシェア

各トラフィックソースの詳細に着目すると、自然検索ではGoogle Searchが1位、ロシアの検索エンジンYandex Searchが2位、Yahoo Searchが3位という結果に。SNSではFacebookが唯一Top15にランクインしています。

(図5)トラフィックソース詳細Top15

グローバルトッププレイヤーに焦点を当てる

市場分析を行う上でどの様なプレイヤーが存在するのか把握することも重要です。海外の国別の全体像も掴めてきたところで、グローバルでのトッププレイヤーに焦点を当ててみましょう(図6)。

銀行別にWeb上のアクセス数ランキングを比較すると、Top10に米国の銀行が5行(JPモルガン・チェース(1位)、ウェルスファーゴ(2位)、バンク・オブ・アメリカ(3位)、キャピタル・ワン(5位)、シティバンク(7位))ランクインしており、インドからはインドステイト銀行(6位)とHDFC銀行(8位)の2行、ロシア、フランス、英国からそれぞれ1行(ロシア連邦貯蓄銀行(4位)、クレディ・アグリコル(9位)、ロイズ銀行(10位))という結果になりました。

日本の銀行では、三菱東京UFJ銀行が60位台に、続いて楽天銀行が90位台にと、Top100に2行ランクインしています。

(図6)銀行別アクセス数ランキングTop15と100位以内にランキングインした邦銀

トラフィックソース別のランキング

続いて、アクセス数をトラフィックソース別に分解してよりミクロな視点で市場分析を行ってみましょう。トラフィック別流入シェアの内全体の過半数を占めていた直接流入(Direct)と20%弱の自然検索(Organic Search)からの流入アクセス数が多いサイトを見ると、アクセス総数で上位の海外の銀行が同様にランキングの上位を占めていることが分かります(図7、図8)。

(図7)直接流入からの流入アクセス数ランキングTop5(2017年3月単月)

(図8)自然検索からの流入アクセス数ランキングTop5(2017年3月単月)

一方、トラフィック別流入シェアの25%を占めていたリファラル(Referrals)に目を向けると、ウクライナのプリバトバンクが2位、オンライン決済のネッテラーが4位、スペインのサンタンデールが5位と大きく顔ぶれが変化し、直接流入や自然検索とは異なる結果が得られました(図9)。このようにミクロな視点から市場分析を行うことで全体像からは見えない意外な気付きが得られることがあります。

(図9)リファラルからの流入アクセス数ランキングTop5(2017年3月単月)

リファラル元サイトを比較する

さて、それではミクロな市場分析からもう一歩踏み込んでリファラルに焦点を絞って比較をしてみましょう。

リファラルからの流入アクセス数が上位であった海外のウクライナのプリバトバンクやオンライン決済のネッテラーは一体どの様なサイトからアクセスを獲得しているのか?デスクトップPCとモバイルWebでリファラル元サイトに違いはあるのか?総アクセス数でグローバルランキング上位であった米国のJPモルガン・チェース及びバンク・オブ・アメリカと比較しながら違いを探ってみました。

デスクトップPCのみに着目すると、プリバト銀行は同行のインターネットバンキングサービス「プリバト24」から90%近くの流入アクセス数を獲得(図10)。ネッテラーはコミュニティバンクやシモンズバンク、サミットクレジットユニオン、イベリアバンクといった米国の大手地方銀行からの流入が一番多いものの、リファラル元サイト一つ一つのシェアは小さく各提携先銀行から広く流入アクセス数を獲得していることが伺えます(図11)。

(図10)プリバトバンクのリファラル元サイトTop5(2017年3月単月、デスクトップPCのみ)

(図11)ネッテラーのリファラル元サイトTop5(2017年3月単月、デスクトップPCのみ)

一方、総アクセス数でグローバルランキング上位であった米国のJPモルガン・チェース及びバンク・オブ・アメリカのデスクトップPCでのリファラル元サイトに目を向けてみましょう。バンク・オブ・アメリカは転職求人大手のIndeed.comから20%を超える流入を確保している(図12)一方、JPモルガン・チェースは、クレジットカード事業の提携先であるアマゾンや米国大手航空会社のサウスウェスト航空、大手ホテル会社のマリオット・インターナショナルから全体の約半数を超える流入アクセス数を獲得していました(図13)。

(図12)バンク・オブ・アメリカのリファラル元サイトTop5(2017年3月単月、デスクトップPCのみ)

(図13)JPモルガン・チェースのリファラル元サイトTop5(2017年3月単月、デスクトップPCのみ)

さて、続いてモバイルWebに着目してみましょう。プリバトバンクはデスクトップPCの時とは打って変わり、新興のペイメント関連企業LiqPayから50%を超える流入アクセス数を獲得している一方、「プリバト24」からの流入は10%程度に留まっており(図14)、モバイルの浸透と共にオンラインバンキングに加えてオンライン決済の強化を進めてきたことが伺えます。ネッテラーは、デスクトップPCの時と同じく米国の大手地方銀行それぞれから流入アクセス数を獲得しているものの、New YorkとPennsylvaniaを拠点とするCommunity Bankが30%超を占める貌となり、デスクトップPCと比較してモバイルWebは未だ現時点で網羅性が低いことが伺えます(図15)。

(図14)プリバトバンクのリファラル元サイトTop5(2017年3月単月、モバイルWebのみ)

(図15)ネッテラーのリファラル元サイトTop5(2017年3月単月、モバイルWebのみ)

さて、米国のJPモルガン・チェースとバンク・オブ・アメリカはどうでしょうか?デスクトップPCと違う結果が出るのでしょうか?バンク・オブ・アメリカはデスクトップPCでは転職求人大手のIndeed.comからの流入が多かったものの、モバイルWebでは自社オウンドメディアである「Better Money Habits」からの流入アクセス数が80%を超えていました(図16)。JPモルガン・チェースは、デスクトップPCとは打って変わりモバイルWebでは米小売り大手のウォルマート及びFreedomカード(VISAと提携しているクレジットカード)のキャンペーンページからの流入アクセス数が90%超を占める結果となっています(図17)。

(図16)バンク・オブ・アメリカのリファラル元サイトTop5(2017年3月単月、モバイルWebのみ)

(図17)JPモルガン・チェースのリファラル元サイトTop5(2017年3月単月、モバイルWebのみ)

まとめ

いかがだったでしょうか?

グローバルマーケットを俯瞰するところから始まり、各トラフィックソース別のトッププレイヤーの把握、トラフィックソースにおける各行それぞれの流入アクセスの獲得状況、とマクロからミクロの視点に至るまで一通りの市場分析を行ってきました。

後半では市場分析からさらに一歩踏み込んでリファラル元サイトを例に詳細分析を見てきましたが、最終的にはデスクトップPCとモバイルwebのそれぞれにて各社の異なるオンライン施策をご覧頂けたのではないでしょうか。

時流を掴むこと、それはまさに海外でのビジネスを成功させるための必須条件であるでしょう。海外市場のマーケットトレンドを的確に掴み、どのようなプレーヤーが何を使ってどこでどのように展開をしているのか正確に把握し、自社の海外事業展開を企画立案する。情報収集・海外市場分析のソリューションとしてSimilarWeb PROを活用してみてはいかがでしょうか?

The following two tabs change content below.

SimilarWeb 編集部

競合分析ツール「SimilarWeb(シミラーウェブ)」を使った競合サイトの分析方法や、話題のサイトなどのマーケティング分析結果、デジタルマーケティングについての役立つ情報を発信しています!

▼競合サイトのアクセスや 直帰率、リファラー、広告の出稿状況などあらゆる指標で分析できる!競合サイト分析ツール「SimilarWebPRO」の詳細はここをクリック

競合サイト分析ツール「SimilarWebPRO」Competitve Intelligence Solutions