世界中でシェアされた「AutoDraw」の拡散スピード・範囲を徹底分析

皆さんもここ数日でこのような動画を何度も見たのではないでしょうか?

これはGoogleが先週リリースしたイラスト作成ツール「AutoDraw」です。

誰でもプロのようなイラストが簡単に書けると話題になり、リリース直後から多くの方がFacebook上でシェアし、瞬く間に世界中にサービスが広がりました。

筆者も多くの友人がシェアしている「AutoDraw」関連のポストをFacebook上で見ました。

今回はこの「AutoDraw」がリリースからわずか数日で、世界中でどれほど広がったのかを少し分析してみました。

「広告費をかけずに一瞬でこんなに拡散できるのか」と世の中のマーケッターさんの参考になるかと思います。

今回分析に使うのはSimilarWeb PROです。SimilarWeb PROは2,3日前までのサイトへのアクセスデータを分析可能なためこういった新サービスのローンチをいち早く分析するには適したソリューションと言えます。

※本記事に使用しているデータはSimilarWeb PROによって計測された統計データ、類推データを含みます。また本記事の日付はニューヨークなどが含まれる東部標準時(EST)を基準にした日となります。

*無料版のSimilarWebではデータの反映が月単位のデータが翌月10日頃に更新されますが、有償版であれば2,3日前のデータから日ごとで確認することが可能です。

爆発的な拡散。アクセス数はリリース数日でUberEatsの月間アクセスを上回る!

「AutoDraw」はリリース直後からアクセスが集まり始め、リリース数時間後の4月12日には400万セッションを超えるアクセスを集めました。

その後、徐々にアクセスが落ち始め4月15日時点では80万セッション弱と5分の1以下にまで落ち込んでいます。

4月13日以降アクセスが下落しているとは言え、リリース直後の24時間で集めた400万セッション、また4月15日までの数日間のアクセス総数800万セッション超というのはすさまじい数字だと言えます。

直近、数日のAutoDraw(autodraw.com)への全世界からのアクセス推移

下のグラフは、最近流行りのUberEats(ubereats.com)への2年間における全世界からのアクセス推移を表したものです。

見事に右肩上がりの成長をしていることが見てとれます。

しかし、この急成長中のUberEatsの直近一ヶ月(2017年3月)のアクセス総数は460万セッションです。

つまりこれだけ急成長し、世界的に広まってきているUberEatsが2年間かけて集めて月間のトラフィックを「AutoDraw」はサービスリリースからわずか2、3日で超えてしまったのです。

2年間のUberEats(ubereats.com)への全世界からのアクセス推移

また、1日400万セッションという数字はアダルトサイトDMM(dmm.co.jp)への日本からの1日のアクセス数とほぼ同じです。

「AutoDraw」の数字は全世界からのアクセスを含んでいるとはいえ、サービス提供から一瞬でこのアクセス数を達成したということは驚くべきことでしょう。

広告費をかけずに驚異的なアクセスを集める。ソーシャルからの流入を最大限活かす

皆さんはどのようにして「AutoDraw」の情報を知り、サイトに訪れたでしょうか。

おそらく前述の通り、友人・知人のFacebookシェアやTwitterでのつぶやきから情報を得て、サイトに訪れたのではないでしょうか。

一方で、プロのようにイラストを描きたいなと「イラスト 作成 ツール」などと検索してリスティング広告で「AutoDraw」について知った、バナー広告を見たといった方はほとんどいないでしょう。

実際、「AutoDraw」の流入経路についてSimilarWeb PROのデータを見ても有料広告経由での流入はほとんど見られません。

つまり、「AutoDraw」は広告費をかけずに、すさまじいアクセス数(400万セッション/日)を達成したのです。

AutoDrawへのデスクトップからの流入ユーザーのトラフィック経路

一方でソーシャル(FacebookやTwitter,Youtube)からの流入比率が非常に高くなっています。

また、最も流入経路としての比率が高いリファラルも、参照元サイトの内訳をみるとテクノロジー系のニュースサイトが上位に並んでいます。

これらのことは、「AutoDraw」のサイトを直接ソーシャル上でシェア・投稿するだけでなく、「AutoDraw」について書かれたニュースやブログ記事をソーシャル上で拡散し、そこから「AutoDraw」のサイトを訪れているユーザーが多数いると想定されます。

*この場合は、例えばユーザーがFacebook上でAutoDrawについて書かれたニュース記事を友人がシェアしているのを見つけてニュース記事へと飛び、そのニュース記事内からAutoDrawのサイトに流入するため、流入経路としてはリファラルになります。

リファラル流入サイトTop10

世界中に拡散された「AutoDraw」

次に、「AutoDraw」がどのくらい世界中に広がったかを見てみます。

SimilarWeb PROの地理データによると、なんとリリースからわずか数日で155の国・地域にまで広がっていることがわかります。

さらにリファラルサイトの内訳をみても、世界各国のメディア・ニュースサイトのドメインを確認できます(UberEatsは96の国・地域からのアクセスが確認でき、YoutubeやFacebookでは200を超える国・地域からアクセスが確認できます)。

そして、地理別でのアクセス数の1位が日本です。

日本人はイラストが好きなのでしょうか、あるいは新しいサービスへの感度が高いのでしょうか。

この結果は多くの日本でビジネスを展開するマーケッターにとって、日本という市場は打ち出し方を工夫すれば広告費をかけなくてもアクセスを集められる市場であることを示していると言えるのではないでしょうか。

AutoDrawへの国別のアクセス比率

なぜここまで急速に拡大したのか

「AutoDraw」が、ものすごいスピードで世界中に広がっていったことは理解して頂けたでしょう。

しかしここで「なぜ、ここまで急速に拡大していったのか」という疑問が出てきます。

グーグルという企業の注目度の高さからでしょうか。それも一つの理由としては考えられるが、それだけではないでしょう。

事実、同じくグーグルが最近テストリリースを開始した採用管理システム「Google Hire」はそこまでの広がりを見せていません(もちろん「Google Hire」は「AutoDraw」ほどメディア露出をしていませんが、1日の総トラフィック数で10万セッションにも届いていません)。

直近数日のGoogleHireへの全世界からのアクセス推移

では、なぜ「AutoDraw」がここまで急速に広がりを見せたのでしょうか。

やはりシェアしやすいプロダクト(コンテンツ)だということが挙げられます。

Facebookなどのソーシャル上で注目をひきやすい(今回の「AutoDraw」で言うと、素人が簡単にプロのようなイラストが描けるというビジュアルでの伝わり)コンテンツ配信を行ったことが拡散のキーになったと想定されます。

少し話はそれますが、「ビジュアル上での伝わりやすさ」という観点では、最近起きたUnited航空のオーバーブッキングが挙げられます。

これも、「AutoDraw」とは違った面でビジュアルでの伝わりやすさを持っていたニュースと言えるでしょう(無理やり乗客を飛行機から引きずり下ろすシーンが多くの人の目に焼き付いていると思われます)。

実際にUnited航空のホームページ(united.com)の直近1か月ほどのアクセスを見て見ると、問題が発生した4月9日からアクセスが急増し、4月11日には通常の2倍程度のアクセスを集めています(通常アクセス:約70~80万セッション/日、4月11日のアクセス:150万セッション)。

これも、ソーシャル拡散によるアクセス急増の一例として挙げられるでしょう。

「AutoDraw」の話に戻ると、このアクセス急増においてもう1点注視すべき点が挙げられます。

それが、Google社が自社で運営している2つのメディア(blog.googleとaiexperiments.withgoogle)のアクセス増加につながっている点です。

「AutoDraw」のトラフィックソースの上位サイトを見るとわかる通り、この2メディアはそれぞれトラフィックソースの4位、5位についています。

つまり、これらのメディアから「AutoDraw」のサイトへ多くの送客をしているのです。

AutoDrawのトラフィックソースTOP10

これらのGoogleが運営する2つのメディアは日本ではそこまで馴染みがなく、初めて聞いた方もいらっしゃるかと思われます。

実際、世界的に見てもそれほど多くのアクセスを集めているサイトではありません。

blog.googleは1日のアクセスが約10万~15万セッション、aiexperiments.withgoogleに至っては1日のアクセス数が約2~3万セッションでした。

しかしそれが、「AutoDraw」のリリースタイミングからアクセスが急増し、最大でそれぞれ95万セッションと50万セッションほどに増加したのです。

blog.Googleの直近約1か月のアクセス推移

aiexperiments.withgoogleの直近約1か月のアクセス推移

この2サイトのトラフィックの増加要因は、下図の「出ていくリンク(このサイトを見た直後にどのサイトに飛んでいるか)機能」において過半数以上を「AutoDraw」が占めていることからも「AutoDraw」のリリースが要因と言ってほぼ間違えないでしょう。

bolg.googleの出ていくリンクTOP5

aiexperiments.withgoogleの出ていくリンクTOP5

まとめ

今回の「AutoDraw」の急激な拡大から、ソーシャルマーケティングの活用によっては広告費をほぼ使わなくとも世界中からアクセスを集めることが可能だということが見て取れます。

また、一つの魅力的なプロダクトのローンチを使って自社のメディアサイトそのもののトラフィックを増やす(価値を高めている)戦略的な取り組みを学ぶこともできるでしょう。

もちろん、「AutoDraw」のアクセスはすでに下がり始めています。

これが一過性のブームとして終わってしまうのか、今後さらなる拡大を遂げるのかを知るためには、引き続き観測が必要になるでしょう。

最後に、今回のような新サービスのローンチに関して早急に情報を収集、分析するためのソリューションとしてSimilarWeb PROを活用してみてはいかがでしょうか?

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高瀬 裕理

高瀬 裕理

2015年ギャプライズ入社。SimilarWebカスタマーサクセスチームリーダー兼ストラテジックコンサルタントとしてSimilarWebPROの導入企業を中心にSimilarWebから導き出されるインサイトの提供を行う。 またニュービジネスデベロップメントとして新規テクノロジーの日本立ち上げを多数行う。3つのイスラエルソリューションの日本初導入を実現。

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