【自動車市場調査:フィリピン編】2つのデータを使った市場解析レポート

フィリピンの自動車業界に、成長の兆しが見えます。

ASEAN Automotive Federation, “ASEAN Automotive Federation Statistics”

Source: ASEAN Automotive Federation, “ASEAN Automotive Federation Statistics”

上記は2012年から2017年にかけてのフィリピンにおける生産、輸入、そして売上高を示したグラフ。売上は年々増加傾向にあり、自動車普及が進んでいることがわかります。

一般的に、一人当たりGDPと自動車普及率には正の相関があり、一人当たりGDPが3,000USDを超えると普及が始まる、といったデータがあります。

今、フィリピンの一人当たりGDPは3,099USD。はたして、普及は始まるのか。

また、オンライン上でも動きがあります。

インターネット普及率が58%(世界平均50%)と平均値を上回る同国では、自動車専門ECサイトへの流入が増加傾向。

オフラインでの伸び、そしてオンラインにおける市場動向。オフとオンのデータに、相関性はあるのでしょうか。

本稿ではオフラインデータとオンラインデータ、2つのデータを活用してフィリピン自動車業界を分析。そして、今後の自動車普及を予測をしていきます。

2019年からフィリピンでは自動車普及が加速する!?

フィリピンにおける移動手段事情

日本国内では自家用車はもちろんのこと、電車、バス、タクシーが移動手段のメインとなります。

では、フィリピンではどのような交通手段があるのか。

詳しいオフラインデータを見る前に、フィリピンではどのような乗り物が交通手段として使用されているのか見ていきます。

タクシー

タクシー

現地人や観光客が利用する一般的な移動手段。

ジプニー

ジプニー

乗合いバス。現地の人のほとんどが、通勤などの移動手段としてジプニーを使う

トライシクル

トライシクル

バイクの横に屋根付きのサイドカーを取り付けた乗り物のこと。

バイクタクシー

普通のバイクの後ろに乗っけてもらう方法。簡単に言えば、バイクの2人乗りです。

自転車タクシー

自転車タクシー

自転車の横にサイドカーを取り付けたもので、トライシクルのバイク部分が自転車になったもの。

引用元:フィリピンでの移動手段はコレ!現地で使う乗り物まとめ

ジプニーは日本でいうバスに似ていますが、運賃が非常に安く、フィリピンでは主要の移動手段となっています。日本では当たり前の鉄道ですが、フィリピンでは首都のマニラでしか走っていません。

つまり、フィリピンにおける交通手段の多くは、四輪/二輪の駆動車がメインとなります。線路をひくには時間がかかるため、鉄道の普及よりも車やバイクの普及が先立つ可能性が比較的高いです。

次に、GDPの観点から自動車普及の概況を見ていきます。

GDPは普及開始の閾値を突破

一般的に一人当たりGDPと自動車普及率には正の相関があります。つまり、GDPの伸びに応じて、自動車の普及も相関して起こる可能性が高いということです。

データによると一人当たりGDPが3,000 USDを超えると普及が始まります。

フィリピンにおける一人当たりGDP

引用元:Google,世界銀行

2000年頃から急激に一人当たりGDPが増加しているフィリピン。

2018年10月時点の推計では、フィリピンの一人当たり名目GDPは3,099USDというデータがあります。つまり、2019年からフィリピンで自動車が普及しはじめる可能性は非常に高いでしょう。

オフラインデータによる概況まとめ

ここまでのまとめです。

  • 鉄道の普及遅滞により四輪/二輪の増加が推測される
  • GDP急増、自動車普及開始の閾値まで迫る

各種データの推察から、フィリピンにおいて自動車の普及が始まる可能性があります。

先進国もかつてはとてつもない勢いで自動車の普及が進みました。同様に、フィリピンでも今後急激な勢いで普及が始まるのでしょうか。

オンライン上の動向:他国にはないフィリピンの特徴

1950年頃。戦後のアメリカでは、自動車が爆発的に普及しました。日本も、高度経済成長期に差し掛かると共に自動車の普及は加速します。

先進国において自動車普及が進んだ時代。

過去に自動車普及が進んだ時代と現代を比較して決定的に異なる事象があります。

それは、インターネット普及によるオンライン上の消費者行動。

情報収集から購買に至るまで、昔と違い、インターネット上でスムーズに行えるようになりました。このテクノロジーの発展はフィリピン市場においてどのような変化を起こすのか。

ここからは、オンライン上のデータを主軸に、フィリピンの自動車業界を解析していきます。

ECサイトが上位を独占

本稿のデータ概要

マ―ケットインテリジェンスを提供できるSimilarWebによりオンライン上のデータを抽出。市場を読み解く上で盲点となりやすいユーザーのオンライン動向を見ていきます。

また、SimilarWeb独自のアルゴリズムから抽出した”自動車と乗り物”カテゴリーにおいてフィリピン国内からアクセスされた情報のみを抽出しました。

*SimilarWebのデータは実データではなく、SimilarWebのアルゴリズムによって集計した類推データになります。そのため、記載されたトラフィック等のデータ数値は実データと異なる可能性がございます。

フィリピンの自動車業界において訪問者数を占拠していたのは、自動車売買を専門としたECサイトでした。

フィリピン自動車業界カテゴリーシェアTOP10

トラフィックシェアの奪い合いは激しく、上位4サイトのシェア率にさほど大きな差はありません。

時系列で見ても、どこかのサイトが大きく占有率を上げるわけではなく、各サイトのトラフィックボリュームは横ばい。

フィリピン自動車業界アクセストレンド:トラフィックシェア

アクセス数を伸ばすautodeal.com.ph

熾烈な市場争いの中、現状最も市場占有率が高いサイト。それがautodeal.com.phです。

autodeal.com.ph スクリーンショット

AutoDeal.com.ph is the Philippines’​ no.1 online automotive marketplace. Every month AutoDeal helps thousands of car-buyers compare vehicles, find promos and connect with a network of official sales agents from our network of over 350 partner dealers.

AutoDeal.com.phはフィリピントップのオンライン自動車市場です。AutoDealは、何千ものバイヤーが自動車を比較し、見つけ、350以上ものディーラーネットワークの販売者と繋がることを可能にしています。

引用元:LinkedIn AutoDeal.com.ph

アクセスは順調に増加。特に、モバイルからの流入が顕著に伸びています。

autodeal.com.phアクセストレンド

直近で若干落ちているものの、全体的に右肩上がり。デスクトップに対してモバイル流入が81%と、圧倒的にモバイルからの流入が多くなっています。

これほどモバイルアクセスを獲得しているドメインは、他国の同業界と比較すると珍しいです。

■関連記事

【自動車市場調査:アメリカ編】2つのデータを使った市場解析方法

【自動車市場調査:ドイツ編】2つのデータを使った市場解析方法

フィリピン特有?大手メーカーブランドサイトへの流入

次に、7位から10位に注目してみます。

フィリピンカテゴリーシェアTOP10

他国では類を見ない、自動車メーカーブランドサイトへの流入割合が高いのが特徴的。アメリカ、ドイツの同業界を見てみると、ブランドサイトへの流入はECと比較して少ないです。

フィリピンではブランドサイトへの流入が多いため、他国と比べて消費者インサイトに違いがあるのかもしれません。

本稿では業界全体の動向を掴むのみに抑え、2位以下のドメインについて深堀りはしません。SimilarWebは本稿のようにマクロな分析だけでなく、オンライン動向をミクロな観点で分析することも可能です。

細かい分析事例に関しては、下記の記事で手法を解説しています。

■関連記事

【競合EC分析】有料検索・ディスプレイ広告解析手法まとめ Part1

【競合EC分析】検索キーワード解析手法まとめ Part2

まとめ

本稿のまとめです。

  • 鉄道の普及遅滞による四輪/二輪の増加が推測される
  • GDP急増、普及開始の閾値まで迫る
  • オンライン市場では自動車売買専門ECサイトが上位を独占
  • autodeal.com.phのアクセスが上昇トレンド
  • フィリピン独特の大手メーカーブランドサイトへの流入

一人当たりGDPの増加、そしてオンラインにおけるECの台頭。自動車に関する情報取得は容易となり、今後、フィリピンで自動車の普及が進む可能性は高いと考えられます。

フィリピンを含めたASEAN諸国の経済成長は顕著であり、自動車業界に限らず、様々な業界において市場は活発になっていくでしょう。

このチャンスをものにするには、オフラインのみならず、オンラインの市場概況を解析することが必要です。これが結果的に、業界内で勝ち抜くためのキーファクターとなります。

引き続き、SimilarWeb Blogでは時代を勝ち抜く術をご紹介していきます。

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