なぜ若者が賛成で、高齢者が反対だったのか?大阪都構想のWEBサイトから見るマーケティング戦略

画像元:http://oneosaka.jp/517/comic/

5月17日に行なわれた大阪都都構想の是非を争った住民投票から10日ほどがたちました。この選挙で、二重行政のムダを解消しようと大阪都構想を主張した橋本市政でしたが、結果的にはわずか1万票(投票数の約1%)の差で反対多数となり、都構想は否決されることとなりました。

その結果のあと、橋本市長が「全てはこちらの説明不足」と話している様子が多くの人がご覧になったのではないでしょうか?

ただ、この記者会見では詳細な敗因分析を橋本市長自らが語るという様子はありませんでした。そのため、多くの論客がメディアを通して敗因分析を行なっています。そして、そこで挙げられた敗因の一つに「シルバーデモクラシー」というものがあります。

シルバーデモクラシーとは、

有権者のうち、高齢者が占める割合が高いため、高齢者の意見が過剰に政治に反映されやすい状態を指す。

人口の割合に加えて、年齢別の投票率が高齢者が高く若者が低いのも、必要以上に高齢者に有利な政策が多くなりがちなことに影響を与えている。

参照:はてなキーワード「シルバーデモクラシー」

大阪都構想の住民投票の場合は、70代以上「以外」のすべての層で、過半数を超える人たちが賛成しているにもかかわらず、70代以上の反対により結果的に反対多数になってしまったという結果になりました。

参照:「シルバーデモクラシーに敗れた大阪都構想に、それでも私は希望の灯を見たい」http://otokitashun.com/blog/daily/7401/

さて、本記事ではこの「シルバーデモクラシー」が是非や、敗因として本当にこのシルバーデモクラシーが一番の原因なのかということを議論するわけではありません。

それよりも「なぜ世代間で賛成・反対の格差が生まれてしまったのか?」ということに焦点を当ててみたいと思います。その切り口としてインターネットのマーケティング戦略という視点から分析してみたいと思います。

大阪都構想のWEBサイトから見るマーケティング戦略

マーケティング戦略として重要な役割を果たすのが「WEBサイト」です。近年、ネットから情報収集が基本になっているため、それぞれの党の主張を訴えるには「どれだけサイトを充実し、アクセスを集めるか」が票数に影響を及ぼします。

秀逸な若者向けマーケティング!

大阪維新の会の大阪都構想の説明サイトを見てみると、かなりわかりやすく論点が書かれており、きちんと読めば「大阪都構想のメリットやデメリットがわからない」という疑問はきちんと解消されるつくりになっています。

しかし、よくよくサイトを見てみるとサイト全体が「若者」をターゲットとしている内容のものが中心になっているのがわかります。

例えばこのページ!

FireShot Capture - 都構想によろしく|CHANGE OSAKA! 5.17「5月17日は住民投票」 - http___oneosaka.jp_517_comic_

「ブラックジャックによろしく」あらため都構想によろしくというキャッチフレーズとともに、漫画を使って大阪都構想を説明しています。

また、他にも面白いページが!

FireShot Capture - 都構想マッチング診断|CHANGE OSAKA! 5.17「5月17日は住民投票」 - http___oneosaka.jp_517_tokosocheck_

都構想マッチング診断という、いかにもSNSで話題になりそうなページが作られていました。この記事を書いている現在では、いいね数が2246、ツイートが1788となっており大きなインパクトを与えられたと予想されます。

最近1ヶ月の大阪維新の会の都構想サイトの人気ページをサイト解析ツールのSimilarWeb(シミラーウェブ)で分析してみても、それがわかります。

図1

漫画やマッチング診断など、これらを見てみるとWEBサイトのページがtwitterのリツイートやfacebookでシェア・いいねを狙って作られたコンテンツだと考えられます。

これが、若者層からの賛成を勝ちとった一つの要因だったのでしょう。

WEBサイトを見ない高齢者

しかし、結果として大阪都構想の住民投票の結果は、シルバー層の反対の多さが敗因となりました。

なぜネットでの若者向けに秀逸なマーケティングが成功していたのに、シルバー層には響かなかったのでしょう?

この原因は、おそらく高齢者がWEBサイトからあまり情報を得ていないことが原因だったと思われます。

以下は総務省が発表している日本のインターネットの利用動向の調査です。

○属性別インターネット利用率及び利用頻度

図表4-3-1-4 属性別インターネット利用率及び利用頻度のグラフ
(出典)総務省「平成23年通信利用動向調査」
http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/statistics05.html

世代別のグラフに注目してください。

インターネットで情報収集をする世代が60代を境にどんどん減少していることがわかります。今回反対多数となった70代以上のネット利用者は50%を切っているのがわかるでしょう。

このデータから考えると、今回の住民投票ではWEBサイトでのマーケティングが70代以上の層に対して効果的でなかったのではないでしょうか。

結論としてネットを使ったマーケティングという視点のみから考えると、「ネットを使ったマーケティングが若者層に効果的だったのに対し、70代以上の世代にその効果を発揮できなかった」のが敗因の一因になったと言えるでしょう。

 まとめ

いかがだったでしょうか?

政治というのは「どれだけ多くの人を動かせるか」というマーケティングの視点が欠かせないものです。

その点で、橋本市政は若者の心を動かすマーケティングができていましたが、シルバー世代の心までは動かすことができませんでした。もし、この選挙をしたタイミングが10年後で、情報をWEBで収集する人たちがほとんどを占めていたらまた結果が変わったのかもしれませんね。

The following two tabs change content below.

SimilarWeb 編集部

競合分析ツール「SimilarWeb(シミラーウェブ)」を使った競合サイトの分析方法や、話題のサイトなどのマーケティング分析結果、デジタルマーケティングについての役立つ情報を発信しています!

▼競合サイトのアクセスや 直帰率、リファラー、広告の出稿状況などあらゆる指標で分析できる!競合サイト分析ツール「SimilarWebPRO」の詳細はここをクリック

競合サイト分析ツール「SimilarWebPRO」Competitve Intelligence Solutions