宿泊の「はとバス」日帰りの「HIS」?人気バスツアーサイトの分析からわかるマーケティング戦略

日帰りツアーから宿泊ツアー、もの珍しいツアープランなど顧客を飽きさせることのないバスツアー。その中でも有名なのが「はとバス」と「HIS」ですが、この2社にはどのようなマーケティングの違いがあるのでしょうか?

サイトを調査した結果、はとバスは宿泊込みのツアープランが好まれ、HISのバスツアーは日帰りのツアープランが好まれることがわかりました。では、なぜこのような結果に結びついたのか?

両サイトを以下の3つの視点から、アクセス解析・分析を行いました。

  • どのように見ているのか?
  • どのような経路でサイトまで来たのか?
  • どのような興味を示してアクセスしたのか?

*使用ツール「SimilarWeb PRO

▼目次

  1. ユーザーのサイトの見方
  2. 各サイトまでの経路
  3. ユーザーは各サイトにどのような興味をしめしているか
  4. まとめ

ユーザーのサイトの見方

まず、年間のアクセスの動きと、エンゲージメントを基に「ユーザーのサイトの見方」を分析していきます。

バスツアーサイトにはアクセスが集中する時期はなし

バスツアーサイトの特徴を見る前に、まず一般的な旅行サイトを見てみましょう。「JTB」「HIS」のアクセスを分析してみると、長期休暇にあたる直前の3~4月、6~8月、またはゴールデンウィーク(赤くかこっている部分)アクセスが集中しています。

バス 旅行アクセス数▲「jtb.co.jp」「his-j.com」のアクセス数推移:設定期間2013年9月〜2015年8月:”i”マークはアルゴリズム変更を示す

一方、バスツアーサイトの場合ゴールデンウィーク直前は一時的にアクセスが集中しますが、全体的にアクセスがばらついています。以下が「はとばす」「HISのバスツアー専用サイト」を調べたものです。

バス 新新アクセス数▲「hatobus.co.jp」「bus.his-j.com」のアクセス数推移:設定期間2013年9月〜2015年8月:”i”マークはアルゴリズム変更を示す

これらのデータから、バスツアーサイトはゴールデンウィークを除いて年間で平均的なアクセスの動きがあり、「JTB」「HIS」のように一時的にアクセスが集中するような動きはないようです。

宿泊の「はとバス」日帰りの「HIS」

2社のサイトページを実際見てみると、その大きな違いは「はとバス」がサイトトップページに金額の表示をしていないのに対して、「HIS」はトップページに表示されている各プランに金額が表示されています。

実はこの金額の表示・非表示のために、両サイトのエンゲージメントに違いが見られています。

シミWeb バス エンゲージ

エンゲージメントのデータを数値だけで判断すると、「はとバス」サイトの方がユーザーの滞在時間や、訪問1回におけるPV数良い結果を出しています。

しかし、だからと言って「はとバス」サイトのほうが優れていると考えるのは早計です。

というのも、両サイトのサイトの平均時間(滞在時間)を、平均ページビューで割って「1PVあたりの平均滞在時間」を算出してみると、「はとバス」のほうは約36秒なのに対して、「HIS」は約56秒となっています。「HIS」のほうが1ページにあたりにかける時間が多いのがわかりますね。バス 分吸う

では、この「1PVあたりの平均滞在時間」の違いからどのようなことが推測されるのでしょうか?

1つの仮説として「はとバス」は宿泊プランのユーザーを積極的にターゲットに据えているのに対して、「HIS」は日帰りプランのユーザーを主なターゲットとしているのではないかということです。

  • 宿泊プランユーザーは、金額よりもプランそのものの良さ、また自分のニーズに適しているかでプランを探します。費用も日数も日帰りプランよりもかかるため、慎重に探す結果、トータルで長い滞在時間と、PV数も多くなっていると考えられます。それに合致するのが「はとバス」サイトです。
  • 一方、日帰りユーザーは慎重にプランを選択するよりも、ある程度考えていた予算にトップページに表示されているプランがマッチすればその瞬間で申し込みまでいく人が多いはずです。つまり、時間をかけずにプランを選択する傾向があるため、「HIS」のサイトの作りが好まれるのです。

各サイトまでの経路

「はとバス」が日帰りプラン、「HIS」が宿泊プランのツアー客をターゲットにしているのではないかという推測がたったので、次は「どのような経路で各サイトへ流入しているのか」を分析し、その仮説に根拠を加えていきましょう。

リファラー

リファラーの結果に見られるサイトの種類としては旅行のポータルサイトや観光施設からのリファラーが多く見受けられ、そのようなサイトからは2社ともアクセスを集めていました。

しかし、大きく差が出たのがホテルサイトからのリファラーで圧倒的に「はとバス」のほうがアクセスを集めていました。

シミWeb バス ホテル▲リファラーの結果からカテゴリーの中から「Accommodation and Hotel」のみ表示

「Accommodation and Hotel」のカテゴリーのサイトのみにフィルターをかけて表示すると、ほとんどが「はとバス」からのアクセスでした。これだけ宿泊施設サイトから多くのアクセスを集められるのが、はとバスが宿泊込みのプランが好まれやすい理由かもしれません。

検索キーワード

先ほどのリファラーの結果ですと「はとバス」が圧倒し、宿泊プランでははとバスの方が好まれる可能性が見えました。

一方HISは、検索キーワードの検索で「日帰り」に関するワードのみを表示してみると、HISへのアクセスが多く見られました。そのデータがこちら。

検索キーワードの結果の中から「日帰り」のワードが含まれたキーワードTOP20▲検索キーワードの結果の中から「日帰り」のワードが含まれたキーワードTOP20

このデータがSimilarWeb PROにて「日帰り」のワードが入った検索キーワードを示したものです。この中には「はとバス」「HIS」などの各社のワードも入っているため、どちらにアクセスが集中しているかはっきりわかりません。図3の中から各社のワードを除いてアクセス数の比較を表したグラフがこちらです。

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「日帰りを含むワード」を見ると、HISのほうが「日帰り」ワードでアクセスを多く集めていることがわかるかと思います。

10%ほどHISが勝っていますが、「総アクセス数」に表記されている総アクセス数を考慮すると、総アクセス数でHISははとバスより少ないながら「日帰り」のワードではとバスより10%も多くアクセスを得ている。つまり、HISは「日帰り」に関するワードでバスツアーサイトの中で最も多くのアクセスを得ているということになるのではないでしょうか。

よって、ここでのリファラーと検索キーワードのデータの結果からも、はとバスは宿泊プラン、HISは日帰りプランが好まれている可能性が示せるのではないでしょうか。

ユーザーは各サイトにどのような興味を示しているか

ここまで2つの視点はとバスは宿泊込みプラン、HISは日帰りプランが好まれている可能性を追ってきましたが、最後に「ユーザーがサイトにどのような興味を示しているか」を分析していきます。

ユーザーの興味を言語化することで各社の好まれているものが可視化します。

上図はユーザーが「はとバス」にどのような興味を示しているか表した図:下図は「HIS」になります:設定期間2013年9月〜2015年8月▲上図はユーザーが「はとバス」にどのような興味を示しているか表した図:下図は「HIS」になります:設定期間2013年9月〜2015年8月

はとバスの方では「ホテル」「旅館」などの宿泊施設に関するワードが多く示された一方、HISでは「山梨県」「イベント」などの地名やイベント系統のワードが示されています。

やはりここからも、はとバスは宿泊施設を利用したプラン、つまり宿泊込みのプランを考えているユーザーが興味を示していることがわかります。

HISでは宿泊施設関連のワードは示されていませんが、これにより一概に日帰りが好まれているとは言い切れません。しかし、地名やイベントのワードが見受けられるため、ユーザーが様々なバスツアープランに興味を示しており、そのバスツアープランが日帰りのものである可能性はあると思います。

まとめ

はとバスは宿泊込みのバスツアープランが好まれている。HISは日帰りのバスツアープランが好まれている。この2つについてサイトの見方、経路、興味から分析し、各々の結論に根拠を持たせることができたのではないでしょうか。

素晴らしいバスツアープランを揃えている各社。このプランをWeb上で広く知ってもらう、気付いてもらうのは難しい点であります。この点を各社はサイトの見易さ、ページを開いてユーザーのニーズを適しているものが表示されているのかなど、細かい部分の努力で補う必要があるのかもしれません。

誰もが申し込みたくなるようなバスツアープランが2社とも多くあり、広く知ってもらえる仕組みを作ることができれば、バスツアーの市場は大きく発展する可能性を秘めているのではないでしょうか。

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