ファン待望の”あの日”、アクセスが10倍に!これがバック・トゥ・ザ・フューチャー効果だ

the delorian in back to the future

30年後にまた会おう

そういって博士に主人公・マーティが、送り出された先は2015年10月21日

そう、有名SF映画「Back to the Future(バック・トゥ・ザ・フューチャー)」の名台詞です。主人公・マーティが博士とともにタイムトラベルをするこの映画は、世界中に熱狂的なファンがいます。

作中で重要な意味を持つ日、2015年10月21日の日の到来に世界中のファンたちは歓喜し、さまざまなイベントが催されました。

FacebookやTwitterなどのSNSでも、大きな盛り上がりを見せていました。(参考:ついにやってきた未来、2015年10月21日。 実現してほしい、Back to the futureのテクノロジーランキング発表! | イマツイ | 豊洲発!ツイートから「今」が見えるニュースサイト

とはいえ、盛り上がっていたのは個人のファンだけではありません。ペプシレクサスナイキといった超有名ブランドは、なんと映画に登場した未来アイテムを実現させてしまったのです!

各ブランドは、それらをSNSで大々的にプロモーションし、それもファンたちの盛り上がりに拍車をかけました。

そこで気になるのが、それらのプロモーションはどれくらいの成果があったのかという点。

今回は、バック・トゥ・ザ・フューチャーの日に合わせて、大規模なプロモーションを行ったペプシレクサスナイキの3ブランドに注目して、競合分析ツールSimilarWeb PROで解析してみます。

分析の前に、各ブランドのキャンペーンを紹介

ペプシ:Pepsi Perfect

未来型ペプシ

未来世界になれないマーティが「ペプシ・パーフェクト」を手にする場面があります。以下がそのシーン。


このシーンに登場するこのドリンクを、「The Future is Now」と題してペプシは実現してしまいました。

THE FUTURE IS NOW pepsi

「THE FUTURE IS NOW」より)

映画に登場したペプシ・パーフェクトのビジュアルを完全に再現していますね。ファンにはたまらないアイテムです。

プロモーション方法

このペプシ・パーフェクト、どのようにプロモーションされたのでしょうか?

まずは10月5日に公式サイトでアナウンスがあり、価格は20.15ドル、6500個限定販売で「10月21日よりオンライン購入可能」とのことでした。

同時にYoutubeでも公式PR動画が投稿されました。こちらがその動画。

動画のテイストもBack to the Futureを彷彿とさせ、製作に非常に力が入っているのが見て取れます。

次にペプシ公式Twitter(@pepsi)。2015年10月8日にアメリカで行われた、コミコン(コミックファンたちが集うイベント)では、マーティに扮した人たちがフライングゲットした様子が公式Twitterでお披露目されました。

フライングゲットをSNSに露出することで、まだゲットしていないユーザーの注目や購買意欲を高めたのは間違いありません。

そして、いよいよ10月21日前日。公式Twitterは以下のような投稿をし、ファンたちの期待は最高潮に高まったのですが…

なんとAmazonでは発売と同時に完売となっていたのです。理由は定かではありませんが、先行販売への怒りと購入できなかった失望感から以下のようなツイートも多くみられました。

結局、期日、を改めて再販売ということで炎上は収まったのですが、この件だけをとっても、ファンたちがこのプロモーションにどれだけ注目していたかが推しはかれます。

レクサス:SLIDE

浮くスケボー?!

トヨタブランドのレクサスが製作したのは、なんとあのホバーボード

このシーンに登場する未来ガジェットであり、Back to the Futureを象徴するアイテムです。

いったい、これをどうやって実現したのでしょうか?

プロモーション方法

開発の過程を収めた動画で公式サイトで公開されています。

Amazing in Motion | Slide | Lexus International

 Amazing in Motion Slide Lexus International

開発・実験の動画はこちら。

超伝導を利用して浮揚しているようですね。

なお、このホバーボードの販売予定はありません。 ですが、販売予定がない製品を多額の予算と時間をかけて開発し、彼らのキャッチコピー”Amazing in Motion”を表象するアイコンとしてアピールしたのでしょう。

レクサスが”Motion”にかける熱意が確かに伝わってきます。

ナイキ:The 2015 Nike Air Mag

結ばなくていい靴

Back to the Futureの代名詞的なガジェット、自動で紐を結んでくれるスニーカーです。シューズブランドの大御所も大御所、あのナイキがこれを実現してしまいました。

その名も、「The 2015 Nike Air Mag」。

2015-Nike-Mag-GIF

(「Nike News-The 2015 Nike Air Mag」より)

ブーツのような外見で、シューレースが自動で引き締まるだけでなくバックル部分やかかとも光り、非常に未来的です。

プロモーション方法

この製品は、10月21日にナイキ公式ブログ等でアナウンスされました。同時に、数量限定生産であること、2016年にオークション形式で販売されること、その売上はパーキンソン病を研究するマイケル・J・フォックス財団に寄付されることが発表されました。

また、マーティ役を演じたマイケル・J・フォックス本人が着用している写真が、10月22日に彼の公式Twitterで公開されました。

市販はされないという点ではSLIDEと共通しています。しかし、ミッションステートメント(Bring inspiration and innovation to every athlete in the world.)をアピールするだけでなく、社会貢献を行うキャンペーンとなりました。

これらは販促のキャンペーンではない

それぞれのキャンペーンを概観してみると、それぞれただの販促キャンペーンとは性質を異とするものだと分かります。各社とも、このイベントに合わせて開発した製品をほとんど販売していません。彼らの矜持、プライド、ミッション意識をアピールするものだったのです。

これらの成果:当日、アクセスが激変

それでは、2015年10月21日、つまりデロリアンが私たちの時代に到着しファンたちの盛り上がりが最高潮に達した日、人々の注目はどうなっていたのでしょう。

各ブランドは、人々の耳目を集め、彼らのメッセージを伝えることができたのでしょうか?

SimilarWeb PROを用いて、各ブランドの公式ページへのアクセスを分析してみましょう。

ペプシ公式サイト:www.pepsi.com

アクセスの変化

ペプシの英語公式サイトへのアクセスはどうだったのでしょうか。

SimilarWeb PROで1日あたりの訪問数推移を表示してみます。

pepsicom アクセス数

2015年1月から9月末までの1日あたりの平均訪問数は、14,300位であるのに対して、10月21日の訪問数は148,211と10倍以上に跳ね上がっています。

過去6か月間の人気ページは…

 pepsicom 人気ページ

過去6か月間の全アクセスの中で、ペプシ・パーフェクトのページが10%以上も占めトップです。

レクサス国際公式サイト:www.lexus-int.com

次はレクサスのアクセスを調べてみましょう。世界的な注目を測定するために、今回はレクサスインターナショナルの公式サイトを取り上げます。

アクセスの変化

 lexus int アクセス数 イベント調査

突出部が3つもありますね。実は、これらはすべて、先ほどご紹介した「空飛ぶスケボー」に関係しているんです!

それぞれの日付を調査してみると、以下のようなイベントがあったことが判明しました。

  1. 2015年6月24日:ホバーボードプロジェクトに挑むことを発表
  2. 2015年8月5日:謎に包まれていたホバーボードの全容を公開。浮揚の仕組みなどが判明する。
  3. 2015年10月21日:ホバーボードについての言及はほとんどなく、東京モーターショーでのコンセプトカーについて情報を公開。

10月21日にあわせてコンセプトカーを発表した、というのは非常に興味深いですね。ホバーボードについてもBack to the futureをごり推しするのではなくあくまでイノベーション精神をアピールするにとどまったようです。

過去6か月間の人気ページは…

 lexus int com 人気ページ

こちらも過去6か月間の全アクセスの3割近くを占めており、堂々の1位です。2位以下のページとの差も注目に値します。

ナイキ公式サイト:www.nike.com

ナイキの公式サイトはどうだったのでしょうか。

アクセスの変化

 nike com アクセス数

ナイキのアクセス数の変化は激しく、10月21日のアクセス数はあまり目立ちません。キャンペーンの効果はなかったわけではありませんが、アクセス数にはあまり表れていません。

過去6か月間の人気ページは…

 nike 人気ページ

順位は100位以下、アクセスシェアは0.15%と非常に低い結果となりました。

あまりに低すぎる。ところが…

財団へのアクセスは9倍以上!

Nike Magの売上が寄付されることになっていた、The Michael J. Fox Foundation(マイケル J. フォックス財団)の公式Webサイトへのアクセスを調べてみたところ、なんとアクセスが9倍以上になっていたことが判明しました。

 michaeljfoxorg アクセス数

しかも、10月21日だけでなく10月22日にはより多くのアクセスを獲得しています。

 The Michael J. Fox Foundation for Parkinson s Research Parkinson s Disease Information

パーキンソン病治療を研究するマイケル J. フォックス財団ナイキは財団とコラボしてこれほどの結果を出していたのですね。CSR(企業の社会的貢献)として素晴らしいとしか言いようがありません。

三者三様の方向性

さいご各プロモーションをまとめましょう。

ペプシは、ペプシ・パーフェクトの発売をコミコンや10月21日に合わせるなど、比較的ファンの盛り上がりに寄り添うキャンペーンでした。

レクサスは、2015年初頭から数回に分けてホバーボードの情報を小出しにし、長期的な注目を集め続けました。そして、その注目が最高潮に達したであろう10月21日に、モーターショウにおけるコンセプトカー情報を公開するというユニークな方法を垣間見ることができましたね。

ナイキは、シューズの売上を難病の研究機関に寄付するなど、社会貢献色の強いキャンペーンでした。また、その成果もNikeのサイトには表れていませんが、財団のサイトを分析してみると大きな成果を収めていることに成功しています

まとめ

特定の映画ファンをターゲットとしたキャンペーンで、これほどの規模は珍しいものです。

今回はそんな珍しいケースを分析してみました。実際に分析してみると、どれもかなり大きな反響があったことが数字で示されました。さらに、三者三様の少しずつ異なるキャンペーンを行っていたことがわかります。

30年前の映画とはいえ、「未来は今」という感覚を皆が共有して成功した今回のキャンペーン。それぞれの動きの背後には、各社のプライドや社会貢献が隠されていたのです。

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橋本 拓実

大学2年次の2015年10月より株式会社ギャプライズに長期インターン生として入社。専攻は心理学。

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