衆議院初のネット選挙!各政党のデジタルマーケティング戦略とは?

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2014年の衆議院選挙の投票も、今週末に控えた中、各政党の動きもますます活発になっています。その動きの一つに、SNSを始めとしたネットを利用した動きでしょう。

実は、今回の衆議院選挙は2013年5月に公職選挙法の一部改正により、WebやSNSなどを利用したいわゆるネット選挙が可能となって、初の衆議院選挙となります。そのため、各政党ともWEBサイトに力を入れ、twitter、facebookを始めとしたSNSを積極的に活用した動きが見られます。

では、各党はどのようにネットでのマーケティング戦略を実行しているのでしょうか?今回は、SimilarWeb PROを利用して、各党サイトのアクセス解析を行い、それぞれのデジタルマーケティングの動きを見ていきましょう。

※分析には衆議院選挙特設サイトを開設している党はそのサイトを、していない党は公式サイトを分析しています。データは2014年11月9日~12月5日の28日間をSimilarWeb PROで取ったものです。

自民党

まずはじめに自民党のマーケティング戦略を分析していきます。自民党は、衆議院選挙に向けて特設サイトを開設。数種類のソーシャルメディアも使い、第一党として総合的にネットを活用しているのが特徴です。

■アクセス数は断トツ1位

SimilarWebにより、自民党、民主党、公明党、維新の党のサイトのアクセス数の推移を分析してみました。すると、衆議院選挙が近づくにつれて自民党特設サイトがかなりのアクセスを伸ばしているのがわかります。公明党は、特設サイトを設置せず地道に公式サイトのアクセスを伸ばしています。

意外にも民主党は比較分析した4党の中でアクセス数が最下位という結果になってしまっています。

ららら

さて、特設サイト開設から爆発的にアクセスを伸ばす自民党ですが、なぜこれほどまでに自民党は大きくアクセスを伸ばすことができたのでしょうか?

その原因の一つに、インターネット広告の存在が挙げられます。

■リスティング広告を最大限活用!

ネット選挙が可能となっても、実はインターネット広告の利用は公職選挙法で禁止されています。ただ、条件付きで一部認められており、その条件が「選挙運動用ウェブサイト等に直接リンクした有料インターネット広告」とされています(参考:総務省「政党等による政治活動用有料インターネット広告」)。

自民党をみると、この条件付きインターネット広告を最大限活用しているのです。

例えば、選挙期間中の今(2014年12月初旬)、「自民党」「民主党」などの検索ワードを検索すると、自民党の有料検索広告が表示されます。「民主党」という「自民党」とは異なる検索をした人に対しても自民党サイトへの流入を狙っていることがわかり、戦略的に広告を運用していることがわかります。

民主党 Google 検索

また、それだけではなく「Facebook、2chまとめブログにも 「自民党広告」表示されまくりで話題」などの記事も出るほどに、ディスプレイ広告(Google Display Network)もかなり力を入れている様子。その記事中にも、自民党のディスプレイ広告が!(画像右)

Facebook、2chまとめブログにも 「自民党広告」表示されまくりで話題 J CASTニュース

SimilarWebのディスプレイ広告分析を見ても、自民党(紫)以外で唯一ディスプレイ広告を出稿している公明党(オレンジ)に圧倒的な差をつけて広告を投入していることがわかります。

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この大量の広告が、自民党サイトのアクセスの伸びにつながっているのでしょう。

■Youtube、ニコ動などを利用した動画戦略

自民党 YouTube

また、自民党は動画に関しても、積極的に利用しています。先の4党の主要SNSのシェア率を分析すると、facebookの次に多くのトラフィックをもたらしているyoutubeからのアクセスシェア率が77.1%と他党を大きく引き離しています。

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また、リファラーのほうを見ると、ニコ動こと「ニコニコ動画」からのアクセスのシェアも維新の党(11.8%)、公明党(21.3%)をおさえ、自民党は67%ものシェアを獲得しています。これにより、自民党が動画に対しても積極的な利用をしていることがわかります。

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※自民党(紫)、民主党(水色)、維新の党(緑)、公明党(オレンジ)

ちなみに、twitterやfacebookなどの広告でも動画プロモーションを行っています。twitterユーザーは最近この広告を見たという方も多いのではないでしょうか?

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民主党

■SEO対策でやや遅れ、特設サイトのアクセス数伸びず

では、日本の2大政党のもう一つである民主党のネット動向はどうなっているのでしょうか。民主党も自民党と同じ時期に特設サイトを開設しています。しかし、自民党がアクセスを伸ばしているのに対して、民主党は思ったようにアクセスを伸ばしきれていません。むしろ、維新の党や公明党よりもアクセスが低いという現状に。

ららら

■ネットを活用しきれていない民主党

このアクセス数が伸びていない原因を推測すると、以下の2つのことが考えられます。

①競合となる自民党の影響

ここでの競合は先に述べた自民党です。自民党が、リスティング広告や動画広告などを積極的に行っているのに対して、民主党は広告をほとんど出していません。その広告の利用を行っていないことが、インターネットユーザーに対して民主党の特設サイトへの認知がうまくいかなかった原因になったのではないでしょうか。

②特設サイトの不十分なSEO対策。検索で表示されない特設サイト

実は、民主党の衆議院選挙特設サイトは「民主党」というキーワードで検索しても、検索上位に表示されません。そのため、民主党のサイトを探しにせっかく来てくれた人に対して特設サイトを知らせることができない状況になってしまっているのです。

特設サイトを開設した「自民党」「維新の党」が党名での検索で、第一位に特設サイトが表示されるのに対して、民主党は特設サイトのSEO対策を十分に出来なかったと言えるでしょう。

以上を考えると、民主党は今回の衆議院選挙でネットを使った戦略においては、他の党よりもあまり積極的に活用できていないと考えられます。

維新の党

■twitterからのアクセスは自民超え!大きな影響力を持つ代表の力!

次に、維新の党で特筆すべきなのは、橋下徹代表の個人としての影響力の強さでしょう。125万を超えるフォロワー数は、安倍首相の42万の約3倍です。また、ツイートの拡散力も強く、橋本氏のツイートは100を超えるリツイートがいくつもされています。

橋下徹 t_ishin さん Twitter

その影響力もあり、4党のtwitterにおけるSNSシェアは維新の党(緑)が、自民党(紫)をおさえ1位になっています。

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維新の党の特設サイトへのアクセスを流しているリファラーも、「橋本徹 オフィシャルサイト」の”hashimoto-toru.com”がそのアクセスシェア1位となっているのがわかります。橋本徹代表の影響力が強さがうかがい知れます。

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公明党

■縦型ランディングページで「軽減税率」を訴求

「自民党」「民主党」「維新の党」が、新しく特設サイトをオープンさせているのに対して、公明党は少し変わったページを設置しています。

それが、「みんなでひとオシ軽減税率」というページです。これは、公明党が本選挙で1番大きく打ち出している政策の「軽減税率」の解説がされているページで、「ひとオシ」というSNSでよくある「いいね」や「ツイート」とは異なる新しいカウンターを導入している点でも面白い試みをしています。

基本的に自民党のインターネット広告のランディングページが自民党特設サイトであるのに対して、公明党のインターネット広告のランディングページはこの縦型ページとなっています。有権者に訴求したいことの違いがここに現れていると言えるでしょう。

みんなでひとオシ「軽減税率」

軽減税率を賛成している人を、「ひとオシ」というカウンターで可視化↓

公明党

■ソーシャルの広告で流入を狙う公明党

また、公明党は積極的にソーシャルでの有料広告を出しており、自民党には及びませんが、党の規模から考えるとかなり積極的に広告を出しています。

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ソーシャルのアクセスシェアを見ても自民党に次いで37.36%となっており、SNSを有効に使い、インターネットをかなり戦略的に活用している党と言えるのではないでしょうか。

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まとめ

今回の衆議院選挙は初めてネット選挙が可能になったということで、どの党のマーケティング戦略が有効かどうかということはまだ蓋を開けてみなければわかりません。ネットをあまり使っていない民主党が良い結果を生むのか、大量の広告を出しネットを積極的に使っている自民党が良い結果になるのか……

とはいえ、企業ではインターネットがマーケティングとして重要な役割を担っているという考えは自明のものになっています。今回の選挙結果で、日本の政治においてもネットが大きな影響力を持つかどうかが明らかになるのではないでしょうか。

これからの各党のネットでの取り組みに注目です!

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SimilarWeb 編集部

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