Amazon一極集中時代にどのようにデジタルプレゼンスを最適化すべきか ~米国Eコマース市場レポート~

多くの業界のデジタル市場において、単一企業による一極集中化が加速しています。検索ではGoogle、ソーシャル分野はFacebook、Eコマース・電子商取引はAmazonの支配が続いています。

一業界を支配するということは、その業界の掟、トレンドにも影響力を持つことを意味します。

つまり、大多数のブランドにとって、今日、これらの「巨人達」を回避することは、ビジネスの選択肢には無いに等しいと言っても過言ではありません。

デジタル市場での成功の秘訣は、これらの巨人達とどのように上手く関係維持をし、効果的な関係を結ぶことができるかにかかっています。

Amazonとの関係性

インターネット業界でよく見られるようにEC業界も、Amazonによる一極集中型です。Amazonに続く3社は、主にAmazonと正面からぶつかることをを極力避けることで成長してきました。

eBayはオークションに注力し、Craigslistはクラシファイドマーケットを支配、Walmartは、低価格、コスト削減、物流管理を推進し、オフライン市場において世界最大の売り上げを達成しています。

Amazonの優れた点は上記の訪問客の多さだけではありません。通常コンバージョン率は年間を通して上下しますが、その中でもAmazonのコンバージョン率は飛び抜けています。

具体的には、Amazonのサイトを訪れたユーザーのうち約12%が商品をカートに入れ、そのうち約3分の2のユーザーが実際に購入しているのです。業界トップのコンバージョン率である約8%という数字は、2017年のプライムデーには11%を超えるに至りました。

Amazonと各社ブランドの関係性は進化の一途を辿る

上記要素から、ブランド各社の商品、特にコンシューマパッケージ商品(CPG)にとって、Amazonを無視してビジネス展開をすることは、ほぼ不可能な時代になってきました。それは、Amazon上で戦わないということは、圧倒的なトラフィック量を介してリーチできる潜在的な顧客層と膨大な既存顧客リストへのアクセスという2つの大きなメリットを一気に失ってしまうことを意味しているからです。

また、Amazon上で販売をすることのメリットに、Amazonが代理として自社の価格設定、顧客サービス、偽造管理、および全体的なブランド体験を制御・防衛してくれることなどもあります。

しかし一方で、多くのブランドの中には、 Amazon上で存在間を大いに維持しつつ、利益と顧客との直接関係を強化するために、消費者と直結している自社サイト上での販売(DTC)をすることを望んでいるものもあります(例: Dollar Shave Clubなどのサブスクリプションモデルなど)。

自社サイトで直接販売をしながら、Amazonと良好な関係を保ち続けることは、絶妙なパワーバランスの均衡を保つ行為で、ブランド企業がEコマース業界で生き抜くための死活問題とも言えます。

上記の2軸から、各ブランドはますますAmazonとの関係の再構築を動きが増してきています。

ドイツの大手靴ブランドであるビルケンシュトック社(Birkenstock)はAmazon上からブランドを撤退させましたが、一方で、ナイキ社のように、長年に渡ってAmazonとは距離を置いて独自にビジネス展開を続けてきたブランドが、近年方針を転換し、現在ではAmazonを重要な販路の一つとみなしています。家具量販店のIKEA社に関しては、Amazonへの出店に関し「NO」の姿勢を貫いていたものの、最近になって柔軟な姿勢を示しており、「YES」の姿勢をちらつかせています(2017年9月現在オフィシャルでIKEA商品をAmazon内での販売はまだありません)。

いずれにしても、多くのブランド企業は、製造元、ブランド元、そして流通元として全てのラインをモニタリングしコントロールできる直接販売路線を合わせてもっています。それはAmazonでも同様で、Amazonのプライベートブランド「Amazon Basics」は、電池や乳幼児用ウェットティッシュ用品などの伝統的なCPGカテゴリで、同プロダクトカテゴリではリーダー的存在になっています。

また最近では、米国の高級自然派スーパー「Whole Foods Market」社を買収したり、高級アパレルラインThe Fixを発売開始したりと、巨大なAmazonも、独自のブランド、流通、販路構築に余念がありません。

Amazonは、実はさまざまな隠れたブランドを所有している企業でもあります。

Amazonへの出店におけるデジタルマーケット・インテリジェンスの必要性

混乱と変化の絶えないオンライン市場で、Amazon社のような巨人と最も効果的に踊り続けていくためのアドバイスをご紹介します。

1. 目隠しでの操縦行為を止めること

CPGブランド企業の多くは、自社製品がどの価格帯で、どこで販売されているのかなど、パートナー企業の量販店から限られた情報しか共有されていないのが現状です。

また、競合するブランドの販売状況を把握することも大変困難を極めます。

CPGブランドが、個人の小売業者からのデータに依存しなければならなかったデジタル時代以前の時代では、このような視認性の欠如は当たり前のものでした。

一方、オンライン上での検索は自社製品を販売している数百〜数千のサイトを網羅しています。

Amazonのような巨大企業と新しい取引へ進み出す前に、交渉の場の情報や競合情報を基礎知識として把握しておくことは非常に重要です。

これらを怠ることは「大空を目隠ししながらで飛行機を操縦するような危険な行為である」ということを意味しています。

市場情報を包括的に分析するマーケットインテリジェンスはビジネスの成功に常に欠かせない情報なのです。

2.ベールの裏側を見てみよう

現在、小売業のほとんどがAmazon上で展開されています。

購買方法がWeb上へパラダイムシフトしていく中、消費者がAmazon上で様々なカテゴリーやブランドをどのように検索しているかを示すデータは、ビジネス戦略、決定をするための重要なインサイトを提供してくれます。

BloomReach社による2016年の調査によると、アメリカ人の55%がAmazon上でショッピングを行うための検索を開始しています(この数字は、前年度の44%から11%も増加しています)。

対照的に、一般的な検索エンジンにてショッピング検索を開始した人は、28%とAmazonの数字を大きく下回っています。

このことは、多くのCPGブランド企業にとって、Amazonのような大手小売りサイト上に販路を確保した上で「サイト内検索」されるかが、販売実績にいかに影響をもたらしているかを物語る数字です。

SimilarWebの分析によると、2017年1~3月にて一般の代表的な検索エンジン上での「トイレットペーパー」の検索が約1万5000件、その検索結果のリンクはAmazonに消費者を送りこみました。

同時期に、Amazon上で「トイレットペーパー」をサイト内検索された数字は何と57倍の86万件に上っています。

競合解析をするということは、ベールの裏側を確認することでより包括的に分析を行い、決断を下す際の情報のバイアスを少なくすることを意味します。

3.コンバージョンを定量化し、ROIを最大化する

顧客の検索行為は重要であり、もちろんその先にあるコンバージョンはさらに重要です。

いかに効率よくコンバージョンを定量化させていくか、どのCPGブランド企業にとっても最大の課題と言えます。

追跡すべき課題としては、

「自社サイトで何%の訪問数が商品を購入しているのか?」

「各販路でのコンバージョン率の違いと、競合他社の数字は?」

「自社サイトからスタートし、Amazonサイト上で最終的にコンバージョンしている訪問数の割合はいくらか?」

ということです。

上記はコンバージョンを定量化してROIを最大化させていくための基本的な情報です。

BloomReachの最近の調査では、90%の消費者が購入前にAmazonをチェックしていることが分かっています。

Bose社のヘッドフォンの類似ウェブ分析では、同じ日にBose.comとAmazon.comを訪れた消費者が、BoseサイトよりAmazonで購入する確率が6倍高いことが分かりました。

最後に

販売を伸ばしていくためには、これらの課題をいかにより正確に理解し解決していくかにかかっています。

ブランド企業の多くは、Amazon、自社サイトの両方でベストを尽くすために努力しています。

Amazon上に販路を確保し、その莫大なトラフィックを利用して収益を増やしつつ、自社サイト上にて高い価値のある限定商品などを陳列することで、ファン層に対して自社サイトへ定期的に訪問させるためのインセンティブを残しています。

ナイキ社の戦略はまさにそのような販売戦略の良い例で、最近の、Amazonでの販売を開始するという決定は、Amazonからの消費者の声を集約し、品質管理の強化を成し遂げています。

また、これらフィードバックは、彼らの直接販売分野の最適化へもポジティブに影響を与える結果となっています。

結論として、大多数のブランド企業にとってオンラインの巨人から離れてビジネスを行うこと簡単ではないということです。

デジタル市場での成功は、マーケットインテリジェンスを大いに活用し、Amazonなどの巨人とより効果的な関係を構築し続ける方法を学ぶことから始まります。

Amazonを含むあらゆる他社サイトをかつてないほどの深度で解析、デジタルインサイトを提供できる「SimilarWebデジタルインサイトレポート」について知りたい方は、こちらのサンプルレポートをダウンロードしてみてください。

著者:

Stephen Kraus Linkedin

SimilarWeb社のChief of Insights担当。ハーバード大学社会心理学PhD取得。消費者インサイト、マーケットリサーチ、社会動向分析を専門とする。

編集・訳:

Keiko Zeltzer Linkedin

SimilarWeb社ビジネスディベロップメント担当。

Yousaku Yamamoto Linkedin

株式会社ギャプライズ SimilarWebセールスディベロップメント担当。

*この記事はSimilarWebのデータを使用しています。文中で取り上げられるデータは統計処理などをおこなった類推データを含みます。また、アプリ分析によるデータはすべてandroidのみのデータであり、iosのデータは含まれておりません。

以上はSimilarWeb公式ブログ”Dancing with the Giants: Channel Optimization in the Age of Amazonの翻訳記事です。また、画像はすべて原文より引用したものです。

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SimilarWeb 編集部

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