マーケットインテリジェンスの世界をリードする:Digital Vision Japan 2017 完全レポート

2017年11月10日、グランドハイアット東京にてDigital Vision Japan 2017が開催されました。

当日は日本および世界で活躍されている下記の方々にSimilarWeb PROを使ったケーススタディや実際の分析事例、さらには世界のデジタルマーケットについて講演して頂きました。

  • SimilarWeb社 チーフ・オブ・インサイト Stephen Kraus氏
  • SimilarWeb社 インターナショナル・ジェネラルマネージャー Avi Wiesenberg氏
  • SimilarWeb社 ディレクター・オブ・フィールドマーケティング Shira Schwartz氏
  • SimilarWeb社 ヘッド・オブ・ストラテジー Maoz Lokovski氏
  • アデコ株式会社 マーケティング&イノベーション本部 本部長 岩嶋 宏幸氏
  • 株式会社電通 ビジネス・デベロップメント&アクティベーション局 プランナー 三浦 直也氏
  • 電通アイソバー株式会社ビジネスデザイン部エグゼクティブプランニングディレクター 高橋 勝也氏
  • ヤマハ株式会社 楽器・音響事業本部 事業企画部企画推進グループ 主幹 濱崎 司氏

今回はDigital Vision Japan 2017で登壇された方々のスピーチの一部をご紹介します。

今イベントの登壇社のスピーチからわかることは、今後のデジタルマーケティングで最も重要なのは”データをどの観点から観察し、どのように使うか“。

シンプルながらもとても重要なこの一節に着目してご覧ください。

マーケットインテリジェンスの世界をリードする

オープニングスピーチでは2017年9月に発足したばかりのSimilarWeb日本支社カントリーマネージャー田中 晃氏、SimilarWeb CEO Or Offer氏、株式会社ギャプライズ取締役副社長土井 啓二氏が登壇しました。

SimilarWeb日本支社発足

田中氏は米国大学院を卒業後、予備校講師、遠隔医療ベンチャー、オランダERP、米国ダブルクリック日本代表、グーグル、Microsoft( Skype事業本部長)、そして直近はEd-techでグローバル展開する米国ニュートンを日本で立ち上げ、本年9月SimilarWeb日本支社カントリーマネージャーに就任しました。

田中氏は登壇時イスラエルの特徴を説明した後「マーケットインテリジェンスの世界をリードしていく」と力強く述べ、共に日本のマーケットインテリジェンスに変革を起こしたいチームジャパンの募集を呼びかけました。(ご興味ある方はこちらまで:job@similarweb.com)

デジタルの世界をリードするマーケットインテリジェンス企業

「元々はジュエリーを扱う企業だった」

本社があるロンドン、そしてニューヨーク、上海と世界8箇所にオフィスを構え、約136億4千万円の資金調達を行ったマーケットインテリジェンス企業SimilarWeb CEOのOr Offer氏。

かつてはジュエリー関連の企業だった会社がどのように競合サイト分析ツールSimilarWebを世界中に広めていく企業になったのか、またこれからSimilarWebは企業が意思決定を行う上で重要なキーツールになるということを晴れやかな表情で話した。

SimilarWebは今、なくてはならないツールである

2010年にギャプライズにジョインした土井氏は元々プランナーだった。業務をこなしていくうちにデータの重要性に気づき、2012年に海外ツールの日本進出サポートを中心に行うテクノロジーソリューション事業部を立ち上げた。

「SimilarWebは以前、あったらいいなと思われていたツールだったが、今ではなくてはならないツールまで成長した」と、利用ユーザー数が3年で10倍と急成長している背景を再実感し、今後ギャプライズとSimilarWebが共にさらなる成長を遂げることを壇上で約束した。

【スピーチ】SimilarWebを使うことで意思決定ができる。

SimilarWeb社の考えるこれからのデジタルマーケティング、マーケットインテリジェンスはどのようになるのか、IT革命と言われている現代のWeb上で何が起こっているのかを語った。

またアデコ、電通、ヤマハと世界で活躍する日本企業のマーケター達がどのようにSimilarWebを使っているのか、そしてどのように使えば世界で勝つために必要な意思決定を下す要因として応用できるのかを実際のデータと共に講演しました。(講演内容詳細は12月以降公開予定)

ネット業界で勝者になるには?

意思決定にはマーケットインテリジェンスが必要である

「SimilarWebを使って調査したところ、同期間で検索トラフィックから”トイレットペーパー”と検索してAmazonに流入するユーザーは約15,000件、一方Amazon内で検索された数はなんと約860,000件。検索エンジン上よりもAmazon内の方が多く検索されていた。これからはこの世界的ECを検索エンジンのひとつとして見直さなければならない

数々のマーケットリサーチを行ってきたSimilarWeb社チーフ・オブ・インサイトのStephen Kraus氏は世界的ECサイト内で起きている異変を例にマーケットインテリジェンスについて言及した。

「マーケットリサーチ業界は今消滅しつつある一方、ビッグデータ、インサイトなどを活用したマーケットインテリジェンスが急速に伸びている

マーケットインテリジェンスの重要性とAmazonの例にどのような関係があるのか?同氏の見解は以下だ。

マーケットインテリジェンスは常に包括的でなけらばならない。これは最も重要なことだ。Amazonは何を提供しているのか、Amazonで何を検索されているのか、お客様がそれを何回クリックしたのか、それほど包括的でなければならない。このような情報を知らないまま意思決定を行うことは、目隠ししたまま企業の命運を決める意思決定を行っているのと同じことだ。」

NikeがなぜAmazonで直接販売を始めたのか?

包括的な情報を得ていない企業は今後危ういという警鐘を鳴らした同氏は、スピーチ内でNikeの意思決定の例をあげた。

Nikeは数ヶ月前にAmazon内での直接販売を開始した。この事について同氏はこれは非常に重要な意思決定だったと述べ、この意思決定の動機について同氏は

「Nikeのファンは自社サイトに来てくれるが、それ以外のユーザーを呼び込むにはAmazonを使うことがNikeにとってベストな選択であるため、このような意思決定をした。

このような自論を展開し、さらにこう続けた。

「今Amazonが起こしている変革に大手企業が合わせに来ていることに企業はもっと注目する必要がある。この意思決定を行うには、マーケットインテリジェンスのリテラシーが高くなければならない。

意思決定に必要なのは経験か、データか。

PwCの調査によると、現在62%の役員が未だに意思決定にはデータよりも経験やアドバイスを優先している。

しかし、パフォーマンスが高い企業は経営陣がデータへの関与に積極的であり、組織全体でアクセス可能な割合が高く、社員個々にデータ分析能力があると同氏は述べた。

「上記スライドやAmazonの例からわかるように、今の時代で生き残るには企業全体でマーケットインテリジェンスのリテラシーを高め、その情報を社員個々がコントロールできるか否かで今後のパフォーマンスは大きく変わってくる。」

成功している企業はWebを牛耳り、いまや誰もが知るIT企業に対してカニバリゼーションするのではなく、チャンスとして捉える事が重要である。このマーケットインテリジェンスに必要なことをSimilarWebは提供しており、今後もマーケットインテリジェンスの世界をリードしていく。」

TEDxの登壇経験がある同氏の説得力あるスピーチ後、オーディエンスの表情は明らかにイベント開始前と比較して真剣味を帯びてきていた。

SimilarWebはITに詳しくない人の意思決定をサポートできる

デジタル戦略というものは、もう存在しないのかもしれません。デジタル世界での戦略が求められているのです。

SimilarWebを世界に広めるべく、日々世界を渡り歩くSimilarWeb社インターナショナル・ジェネラルマネージャーのAvi Wiesenberg氏。

日本のケンタッキーフライドチキンWebサイトを例におもしろい分析を披露した。

「日本のマーケットはすごい。祭や祝日、クリスマスなどの特別な日に独特な消費行動を起こす。去年のクリスマスにKFCへクリスマスに関連したキーワードで1億ものvisitがあり、そのキーワードの種類は6,500もあった。」

日本独自の文化から生じるカスタマーの行動を例にあげつつ、ここから学べる最も重要な点は以下であると述べた。

ITに詳しくなくてもこのデータをみればどこに投資を行えばいいのか誰でもわかる。SimilarWebはITに詳しくない人でも意思決定の要素のひとつとして使ってもらえる。」

日本のデジタル業界を探る

ターゲットはローカルか、グローバルか。

Salesforce、Return Pathと世界的に有名なクラウドサービス企業の経験を積んできたSimilarWeb社ディレクター・オブ・フィールドマーケティングのShira Schwartz氏は、3つの分析事例を元に今後デジタルの場で勝ち残るには何が重要かを説いた。

Amazon

今回が初来日だった同氏は早速SimilarWebを使って日本のマーケット分析を行い、Amazonがなぜ日本進出に成功したのかを数値的根拠を元に解説した。

同氏の分析では、Amazonが日本国内でトラフィックを成長させることができた要因はローカルのコンテンツを増やした結果、上記のようにブランド検索を向上させたことが要因であると説いた。

「Amazonプライムを皮切りに、日本で人気のキャラクターを用いて日本の市場に合わせた新規事業の導入、そしてなにより日本の漫画に焦点を当ててkindle事業を伸ばしていったローカル戦略が結果的にブランド検索の向上させた。

ZOZOTOWN vs UNIQLO

SimilarWebでZOZOTOWNとUNIQLOのトラフィックをグローバルと国内の流入にわけて分析したところ、両社は別々の戦略をとり、どのマーケットにフォーカスしているのかをはっきりとわけていた。

そして検索流入の戦略もはっきりと異なり、各社の戦略がグローバルなのかローカルなのかをデータを見て導きだした。

Tripadvisor

3つ目はトリップアドバイザーのSEO戦略について言及した。

tripadvisor.jpはそのSEO戦略を元にトラフィックを上昇させ、昨年と比較して観光に関するキーワードで圧倒的成長を遂げていた。

「SEO戦略が得意なTripAdvisorは日本でもその手腕を発揮し、圧倒的なオーガニックリーチトラフィックを獲得したことを今回の分析で証明された。

デジタルの場で勝ち残るには何が必要か

これら3つの事例から同氏はデジタルの場で成功するために必要な要素を導き出した。

初来日から数日でここまで分析をまとめあげる同氏の分析力には驚くばかりだが、SimilarWebを使うと企業の経営戦略が読み解くことも不可能ではない。

「この戦略を知っているか否かは今後デジタルの場で勝ち残る上では重要である。そしてこのデータないし戦略を収集するのにSimilarWebは非常に適したツールである。難しそうな分析に見えるが、SimilarWebを使ってこれらの戦略を紐解くのは容易であり、このデータを日本のみなさんにも使ってほしい。」

過去にSimilarWebブログのライターがnanapiのアクセス数の変化からその裏の狙いを分析したこともある。(nanapiのアクセスが全盛期の半分に落ちていることについて「本当に」詳しく書いていきたい。

要はSimilarWebは使い方次第で分析したいマーケットから各企業まで、マクロからミクロの両視点で事象を分析できるということである。

同氏が作成、本イベントで使用された「Digital Japan Market Intelligence Review(2016/09~2017/09)」の詳細はこちらから。

未来のマーケットインテリジェンス

マーケットインテリジェンスとは何か?

ビジネススクール・経営大学院で有名なINSEADを卒業し、Twitter、UBERを渡り歩いた経験を持つSimilarWeb社ヘッド・オブ・ストラテジーのMaoz Lokovski氏。

戦略論に長けた同氏が思い描くマーケットインテリジェンスとは、カテゴリーの異なる複数の情報の掛け合わせだという。

これはSimilarWebが提供しているデータの変遷である。

2013年のローンチ当初のウェブ解析機能から、SaaS、アプリを含めたマルチデバイス、そしてこれらの情報を瞬時にまとめ上げることができるカスタムレポートを提供してきた。

「これらを掛け合わした情報がマーケットインテリジェンスです。この情報を使って経営陣を含めた社員全員が素早い意思決定ができる、というプロセス全体をSimilarWebは提供しています。

SimilarWebのロードマップ

マーケットインテリジェンスを実施するには以下のフローが必要であると、同氏を含めSimiarWeb社の社員は言及している。

理解する

競合サイトのマーケットだけではなく、自社、クライアント、パートナーを含む全体の情報をSimilarWebで把握でき、ある市場に参入するためにはこの情報を得ることが勝つためには必須である。」

追跡

「自社内だけで結果のビジネスの評価をするのではなく、その評価は他社と比較して何%勝っているのか、マーケットの中ではどれくらいの成長率なのかを把握し、時系列で分析しなければ自社がいまマーケット内でどのようになっているのかわからない。」

成長

「これが最も重要であり、理解し、追跡したその先に自社をどうブランディングしていくのか、どのように最適化を図るのか、そしてどのようにして勝つのか、このためにマーケットインテリジェンスは重要な要素だ。」

マーケット・インテリジェンスオフィサー

「こちらの企業は誰もが知る企業であり、これらの企業には共通点があります。

  • Microsoft
  • LOREAL JAPAN
  • lenovo
  • Rakuten

それは、各社ともマーケット・インテリジェンスオフィサーが配置されていることです。」

この理由について同氏は以下のように解説しました。

「これらの会社はマーケットで勝つためには価値あるマーケティングの情報を会社に流す人が必要であると判断し、マーケティングチームと一緒になって戦略をたて、サポートし、最適な意思決定をしてもらうことが重要であるとは認識しています。」

「これからのマーケットで勝つためにはマーケットインテリジェンスの情報は必須であり、その情報をSimilarWebはこれからも提供し続けます。」

マーケットインテリジェンスとは何なのかを未来を見据えたSimilarWebのロードマップと共に語り、今イベントの最終登壇者はスピーチを終えた。

 アデコ、電通、ヤマハはどのようにSimilarWebを使っているのか?

今回の記事ではSimilarWeb社の登壇者スピーチのみ紹介しました。

当日はアデコ、電通、ヤマハと日本を代表する企業のマーケターないしアナリストがどのようにSimilarWebを使ってマーケットインテリジェンスを獲得しビジネスに応用しているかのスピーチも行われました。

これらの内容詳細は12月以降、各社1記事ずつ紹介していきます。今回はその内容を少しだけ紹介します。

デジタルマーケティング戦略に有効な競合分析の仕方

データはデータでしかない。重要なのはデータを戦略にどう落とし込むか。

5C分析などのフレームワークにSimilarWebのデータを組み込み、最速かつ確実にPDCAを回して競合他社に勝つマーケットリサーチについて話されました。

「SimilarWebは完璧なツールではない。だが、これは重要な点ではない。こういうデータをマクロ的観点で見て、どこに投資すべきか決め、具体的な戦略に落とし込むことが重要である」

大量かつ細かい数値データを提供できるSimilarWebを活用し、マクロ的観点からビジネスで勝つための戦略を図ったデータドリブンマーケティングについて論じました。

マーケットリサーチの観点において、日本はまだ発展途上である。

“グロースハックとSimilarWeb、そしてデジタルマーケティングとSimilarWeb”これらの組み合わせで数々の戦略を創造し、クライアントの課題解決に取り組んできた両氏。

「私はマーケットリサーチの観点では日本はまだ発展途上だと思う。なのでそこを強化すると、その分他社に競合優位性を発揮できると思う。」(高橋氏)

デジタルマーケティング戦略で競争優位に立つにはマーケットリサーチが今後重要となり、そのためにはSimilarWebと他のツールを掛け合わせて使うことで付加価値が生むことができると、具体的な使い方と共にグロースハックの本質についても語った。

重箱の隅をつつくのはもうどうでもいい

SimilarWebの圧倒的な情報量とBIツールを掛け合わせて使うことで、世界中の楽器に対して需要のあるマーケットを的確に見つけ、その需要に応えるにはどのようなマーケティングが必要なのかを独自の分析方法を元に述べた。

「スピーチ内でSimilarWebのデータの誤差に触れましたが、重要なのはその信ぴょう性ではなく、数値が上がったか下がったか、大きいか小さいかが重要なんです。これがわかればもう重箱の隅をつつくのはどうでもよくなりませんか。」

岩崎氏と同様、SimilarWebからわかる細かい数値指標にフォーカスするのではなく、マクロ的観点で世界の需要を見つけ出すことが重要であると説いた。

まとめ

アデコ、電通、ヤマハの方々の分析方法は各々一記事ずつ作成し、みなさんに最先端のマーケットインテリジェンス活用方法を追って共有していきます。

全登壇者が共通して述べたことはまとめるととてもシンプルで”データをどの観点から観察し、どのように使うか“が重要であると説いていました。

みなさんも業務上で大量のデータを見る機会が多いかと思います。

明日からそのデータをどの観点から観察し、そしてどのように使うか改めることで数年後、ないし数ヶ月後には今とは全く違う成果を達成できるかもしれません。

本イベントで使用されたShira Schwartz氏が日本マーケット分析をした「Digital Japan Market Intelligence Review(2016/09~2017/09)」の詳細はこちらから。

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SNS広告を用いたディレクション、Marketing Automatioを用いたMQLの生成、SimilarWebによるWeb解析に従事。 みなさまのデジタルマーケティング課題解決に寄与できるコンテンツを配信していきます。 記事内容に関しますご質問は、お気軽に弊社or私のTwitterまでご連絡ください。

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