【市場調査 in USA】2017年小売EC業界完全レポート

様々な市場データを公開しているStatistaによると、アメリカにおける小売ECの市場規模は2022年には約70兆円に至ると推測されています。(1$=110円で換算)

アメリカにおける小売EC取引売上 2016~2022年

グラフが示すように、アメリカにおける小売EC市場は年々成長しています。

この時、ユーザーはどのような行動をオンライン上でとっているのか?

季節や地域によってユーザーインサイトは変わるのか?

ECアプリを何時頃に使っているのか?

急成長マーケットである小売ECを上記観点を軸に、マルチデバイスマーケットインテリジェンスを提供できるSimilarWebを使って分析していきます。

*以下のデータは実データではなく、2018年7月2日時点におけるSimilarWebPROのアルゴリズムによって集計した類推データになります。そのため実際のアプリストアランキングやDAUなどの数値は実データと異なる可能性がございます。またアプリ分析によるデータはすべてandroidのみのデータであり、iosのデータは含まれておりません。ご了承下さいませ。

季節に応じて変わるオンライン上における消費者行動

データ抽出方法

SimilarWeb独自のアルゴリズムから抽出した”shopping”カテゴリー(小売に関するサイト全てを含む)においてアメリカ国内からアクセスされた情報のみを抽出。

調査期間を2017年間の1年間に絞って分析していきます。

1人あたり年間訪問回数は281回

2017年のショッピングサイトへの訪問回数合計は、年間787億。アメリカにおけるインターネットユーザー(2016年)一人当たりで算出すると、年間で281回訪問している計算になります。

アメリカにおけるインターネットユーザー(2016年)一人当たり小売EC訪問回数

Resource:SimilarWeb

続いて訪問回数のトレンドをデバイス別に分析してみると、デバイスごとで異なるトレンドが見受けられました。

小売EC訪問回数トレンドデバイス別データ

Resource:SimilarWeb

モバイル、デスクトップともに9月から11月にかけてアクセス数が増加しています。ただし、増加率で見るとモバイルの方が急激に増加しています。

さらにデータを深堀します。

両デバイスを合算したデータにおいて、訪問回数 / 平均滞在時間(秒) / 平均ページビュー数 / 直帰率の4項目を月別に抽出。

アメリカにおける小売ECアクセス概要

Resource:SimilarWeb

データを見ると、夏季と冬季で特徴が異なっていることがわかります。

アメリカにおける小売ECアクセス概要_時期別

平均ページビュー数に優劣がつけられないのは、下記のケースが考えられるためです。

  • 多い:ユーザーは多くの商材に触れているため認知は向上しているが、中々ほしいものに辿り着けないストレスを感じているかもしれない。
  • 少ない:商材に触れる回数は少ないが、ユーザーは欲しいものに最短で見つけて満足しているかもしれない。

では、この夏季と冬季においてユーザーはどのようなモノ・サービスを求めていたのか。ユーザーインサイトを追いかけます。

業界全体において6月~7月、11月~12月の特定の時期に関して下記のデータを抽出。

  • トラフィックシェアが大きいキーワード
  • 特定の時期に急激に検索数が増えたキーワード

季節によって検索キーワードにどのような特徴が出るのか、カテゴリーに分けて見ていきます。

6~7月:動画配信サービスの急伸

トラフィックシェア

始めに、6~7月の間でトラフィックシェアの多かった検索キーワードを抽出しました。

アメリカにおける小売ECアクセス概要_時期別キーワード_トラフィイクシェア_夏

トラフィック数の多い検索キーワードにおいて”amazon”に関連したキーワードが頻出。また”ゲーム”に関したキーワードも目立ちます。

変化率

続いて、この時期に急激に検索数が増加したキーワード。

アメリカにおける小売ECアクセス概要_時期別キーワード_変化率_夏

最も変化率が高かったのが「how to get help in windows 10」。2017年7月12日にはWindows10のアップデートがあり、このアップデートが関与しているかもしれません。

商材に関するキーワードが多く占める中、特別目立っていたのが「動画コンテンツ」と「amazonプライム」に関するキーワードの変化率。

Netflix等の動画配信サービスに注目が集まる昨今ですが、123movies、HBOといった日本ではまだ認知の低い動画配信サービスにもスポットが当たり始めていることが見受けられます。

11〜12月:多岐にわたる消費者の購買意欲

トラフィックシェア

続いて11~12月にかけてトラフィック数の多かったキーワード。

アメリカにおける小売ECアクセス概要_時期別キーワード_トラフィイクシェア_冬

amazon関連のキーワードが目立ちつつも、Google製品やApple製品、ゲーム等のキーワードも目立ちます。

変化率

対して、冬季に伸びたキーワードはこちら。

アメリカにおける小売ECアクセス概要_時期別キーワード_変化率_冬

クリスマスもあることから「christmas tree sale」や「gifts for women」といったギフトに関するキーワードが伸びています。

ただ、6~7月と比較して異なっている点は「return policy」「zulily free shipping」といった返品/返金に関するキーワードも検索数が上昇しています。

また6~7月同様、windows/microsoftに関するキーワードも伸びていました。

季節で消費者行動は大きく異なる

リアル店舗は季節要因が購買行動に大きく関与しますが、これらの結果から、小売ECにおいても季節要因によって購買行動だけではなく、アクセス概要や検索キーワードから見えるインサイトが異なることがわかりました。

冬季は様々な商材キーワードで検索されていましたが、この結果とリアル店舗での購買行動に相関性はあるのでしょうか。

オフラインデータをお持ちの方は、本稿のデータと照らし合わせ、オフラインとオンラインの購買行動における相関性を照合してみてください。

カリフォルニアとニューヨークの違い

年々市場規模が拡大しているアメリカのEC事業。この成長市場においてどの企業がアクセスを占有しているのか。また、どのチャネルからの流入し、地域によってアクセス概要に違いがあるのか分析していきます。

どの企業のシェア率が高いのか

まずは、市場内でどのサイトがどれくらいシェアを占有しているのかを見てきます。

アメリカにおける小売ECアクセス概要_市場内アクセスシェア内訳

市場において最もアクセスの占有率が高いのはamazon.com。続いてebay.com、cralgslist.orgと続きます。

ディスプレイ広告にはトラフィックシェア拡充の機会あり

続けて、チャネル別にどのサイトがアクセスシェアを席巻しているかを見ていきます。

アメリカにおける小売ECアクセス概要_チャネル別順位

割合はチャネルごとのトラフィックボリュームによる割合を示しています。

2018年3月のデスクトップ上のみの抽出データのため、モバイルデータを含むとまたデータが変わる可能性がありますが、どのチャネルにおいてもamazon.comがシェアを席巻しています。

ディスプレイ広告の市場のみシェア率が分散しているため、このチャネルにおいてはamazon一強とはなっていない。または、amazonはディスプレイ広告のチャネルにそこまで投資していない可能性があります。

州ごとの人口と訪問者数に相関性はあるのか?

SimilarWebではアメリカ合衆国のみ、特定の15州毎にアクセス数が分析できます。

今回はamazon.comのデスクトップによるアクセス動向が州ごとにどれほど違うのかを分析してみました。

カリフォルニアとニューヨークでは消費者行動が異なる

アメリカ_州別_訪問回数と州別人口の相関性

ほとんどの州が人口に比例して小売EC訪問者数も多いです。

特徴的だったのはカリフォルニア州とニューヨーク州。

今回取り上げた州の中で人口が最も多いカリフォルニア州は訪問者数も多く、他の州は訪問者数より人口が少ないのに対し、カリフォルニア州のみ合計訪問者数の方が人口よりも少なくなっています。

つまり、年間でカルフォルニア州のユーザーのamazon.comへの一人あたり訪問数が、他の州と比較して少ない、ということです。

一方、ニューヨーク州では他の州と比較して人口に対する訪問数が多いです。

あくまで仮説ですが、カリフォルニア州ではamazon.comユーザーが少ない、ないしはモノ・サービスごとに他のサービスを使うことでユーザーが分散している、という可能性もあります。

両地域の検索キーワードを少し深堀り

カリフォルニアとニューヨークを少し深堀りします。

この2つの地域において、amazon.comでどのようなキーワードからの流入が多いのか?を調査してみました。

アメリカにおける小売ECtopキーワード10_カリフォルニアvsニューヨーク

トラフィックの多いTOP10を抽出したところ、9/10は同じキーワードでしたが、トラフィックシェアの割合や順位は両地域で異なります。

また、カルフォルニアでは「celler central」、ニューヨークでは「prime photos」と、出品とサービス利用といった、インサイトが全く異なる結果も出ました。

各地域ではどのようなインサイトの差があるのか?

様々な仮説が立てられますので、本稿を閲覧してくださったWebマーケターの方々の仮説も伺ってみたいところです。

平日と休日の消費者行動に違いはあるのか

小売ECの多くはサイトだけでなく、モバイルアプリも提供しています。

web上から流入し、リダイレクトでアプリに流入することも多いです。

ここでは、業界内で訪問者数の多かった下記の上位5サイトが運営しているアプリをDAUと利用時間帯別で分析していきます。

  • Amazon Shopping
  • eBay: Shop Deals – Home, Fashion & Electronics
  • CPlus for Craigslist – Officially Licensed
  • Walmart
  • Target – now with Cartwheel

市場全体で伸びているDAU

今回抽出したデータのDAUは下記の定義によって抽出されています。

SimilarWeb上のDAU定義

全Androidユーザーの中で、指定の時間帯と国においてそのアプリを利用したユーザーの1日の平均割合。

上記の定義上において、今回調査した各アプリのDAU動向は以下です。

アメリカにおける小売ECアプリDAU推移

どのアプリにおいても2017年夏頃からDAUを伸ばしてきています。

中でもAmazonのDAUは他アプリと比較するとその成長率は群を抜いています。

もっとも消費者が動くのは午後6~10時

続けて、ユーザーは各5つのアプリをどの時間帯に使っているのかを平日と週末にわけて分析していきます。

平日

アプリによって推移が異なりますが、全体的には午後6時〜10時の間によく利用されていることがわかります。

アメリカにおける小売ECアプリ利用時間帯_平日

週末

一方、週末に関しては平日と同じく午後6時〜10時の間もアクティブですが、平日に比べて午前中も利用されていることが見受けられます。

アメリカにおける小売ECアプリ利用時間帯_平日

購買行動

今回は5つのアプリを同時比較しながらデータ分析を行いました。

小売ECというカテゴリーで括っているため、緻密に分析するにはもう少しカテゴライズが必要だと考えています。

例えば、スーパーマーケットのwalmartとTargetを比較することで、スーパー利用者のオンライン上における購買行動が把握できるため、そのインサイトからオフラインのマーケティングにも寄与できるはずです。

こういった比較分析の方が的確なインサイトが出るのでは?というアイデアがありましたら、SimilarWeb Twitter上にリプライ、引用RTでコメント頂けると幸いです。

まとめ

まとめると以下になります。

  • アメリカにおいて小売EC市場は成長し続けている
  • 季節によってオンライン上の消費者行動は異なる
  • ディスプレイ広告の市場は業界内で分散している
  • 州ごとの人口に相関して訪問者数も比例する
  • アプリユーザーは午後6~10時の間が平日/休日ともにアクティブ

今回の調査により、季節によってオンライン上の消費者行動に違いが見受けられました。

これがアメリカのみ生じる消費者行動なのか、他国も同様の消費者行動なのか。また、ECのカテゴリーをカテゴライズして分析した場合ことなるのか。

日本のマーケットだとどのような結果になるのか?今後も世界のマーケットインテリジェンスを調査していきます。

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