【競合EC分析】検索キーワード解析手法まとめ Part2 

企業における戦略計画においても、当然その大前提は競争相手が存在し、その競争相手に対し相対的に有利になるような、かつ、その有利になり方が最も効率的であるような方法を模索しなくてはならない。

日本を代表するコンサルタント大前研一氏著書の『企業参謀』での一文。

IT化が進んだことで様々なデータが取得できるようになりました。競合の気になるデータも、ツールによっては取得可能な昨今。

ただ、データを見れば優位性を創出できる、といった事はありえません。目的と仮説を持って分析を行わなければ”勝利に至る”戦略立案は成り立たないのです。

本稿ではマルチデバイスマーケットインテリジェンスを提供するSimilarWebを使い、小売競合EC解析手法をご紹介していきます。

オーガニック検索のトレンドを俯瞰する

前回の復習

前回は、国外のスニーカー小売チェーン2社を元に分析していきました。

分析のメインとなったのは広告。有料検索とディスプレイ広告に関してデータを戦略立案にどう結びつけるかを解説しました。

※本稿で取り上げるA社とB社は実在していますが、解析によるデータは一部編集しており実数値ではありません。またAおよびBのスペルは社名の頭文字ではなく、仮で指し示した名前になります。

今回は「オーガニック検索」に関する解析を行います。

前回の調査で、調査対象の2社の集客チャネル内訳において、オーガニック検索は2~4割を占めることが判明しています。

キーワードの分析に入る前に、両社のデバイス割合を見ていきます。

オーガニック検索流入におけるデバイス割合

両社ともに減少トレンド

両社のオーガニック検索流入のアクセストレンドを見てみると、デバイス別で見た際、モバイルの方が訪問者数が多いです。

上記データを見るとわかるように、アクセス”量”でモバイルが多いことは明瞭ですが、そのトレンドは下降トレンドにあります。

なぜでしょう?

アプリのDAUは上がってきている。

SimilarWebで両社のアプリのDAU(デイリーアクティブユーザー)をみてみます。

そうすると、両社ともモバイルアプリのDAUは増加トレンドにあります。

つまり、モバイルユーザーは着々とアプリへ移行していっていると考えられます。

オフラインにも応用する

これまでのデータを見ると、考え得るネクストアクションは以下のようなものになるかと思います。

  • モバイルサイトページの受け皿を最適化:モバイルのアクセスが多いため
  • アプリの改良:モバイルユーザーはアプリに移行しているため

もちろんこれらのアクションにフォーカスすることも重要です。

ただ前回の記事にも引用しましたが、これらのデータは戦略要素の一部でしかありません。

これらのデータを連動させ、オフラインとオンライン共に連携して収益をあげることを前提と仮定する事が、今の小売業界に問われています。

引用元:小売業界から高利益率を維持する施策を学ぶ「成長」から「成熟」への戦略分岐点

したがって、オンライン上のデータを活かし、マーケティング、R&D、在庫管理といった連動性を持つ部署にデータ連携を持たすことが結果として市場優位性の創出へとつながります。

仮説構築にいたる前に。

指名検索 vs 非指名検索

実際の検索キーワード分析に入る前に、両社ともにアクセス数の多いモバイルにおける検索キーワードのデータを整理します。

ブランド名による指名検索。また、ブランド名ではなく、商材等のキーワードによる非指名検索の割合をみていきます。

すると、A社は指名検索、つまりブランド名による検索流入が多いことがわかります。

一方、B社は指名検索以外での流入が多く見受けられます。

どちらがよい、といった考察ではなく、各社で特徴が異なることを認識し、互いにどのような戦略を立てているのかを解析する。

そして、その解析結果を自社のマーケティングに応用していくことが重要となってきます。

テキストマイニングを使ったキーワード解析手法

ここから、実際のオーガニック検索キーワードを元にデータを解析していきます。

ここではテキストマイニングツールを使うことで、SimilarWebから抽出したキーワードデータをさらに見やすくします。

今回は両社共に流入の多いモバイルのキーワードに焦点を当て、データの解析を行っていきます。

出現頻度の高い「nike」のキーワード

A社とB社のモバイルにおける、2017年間を通したキーワードをテキストマイニングに入力してみていきます。

キーワード全体を見てみると、A社の方がブランド名、つまり指名検索に関わるキーワードの出現頻度が高いです。

キーワードをもう少し細かくみていきます。

両社の検索キーワードで出現頻度が高い上位5つに焦点を当てました。

両社ともに最も出現頻度が高いのは「nike」を含んだキーワード。また、それ以外のキーワードも類似していました。

ここから様々な仮説を立てられます。

  • NIKEの市場が国内で伸びてきている
  • ライバル同士である両社は、競合から流入を奪うべく「nike」のキーワードを軸とした戦略を立てている
  • アメリカ国内におけるNIKEの認知度が大きいため、これに便乗したコンテンツをサイト内に拡充している。

これらはあくまで筆者の仮説です。

見方、自社のKGI/KPI、業界へのリテラシーの高低等、誰が見るかでこのデータからいくらでも仮説は生まれます。

もっとも重要なことは、自社の目的に応じた仮説をたて、それを検証することです。

そして、最終的にその検証結果を戦略立案の要素として企てます。

圧倒的な情報量はヒトを動かすきっかけになる

これはグローバル企業YAMAHAのデジタルマーケティング戦略を構築している濱崎氏の言葉です。

様々なデータを出せるSimilarWebだけに、一見で出たデータのみに誰もが反応しがちです。

しかし、重要なのは目的と仮説を併せ持ち、戦略を立て、最終的にヒトを動かしてビジネスを成功に導く。

そのためにデータが圧倒的なデータが必要である、と帰結する思考フローが大事です。

両社で異なるNIKEのマーケットトレンド

両社ともに出現頻度の高かった「nike」のキーワード。

では、「nike」が含んだ検索キーワードの流入トレンドは両社で類似しているのか?

BIツールtableauを使って見ていきます。

抽出方法

SimilarWebから抽出した各社の検索キーワードをtableauにインポートします。

その上で「nike」が含まれた検索キーワードのみのPVを、2017年間通したアクセストレンドを抽出しました。

A社は度々増加トレンド。B社は下降トレンド。

まず、指名検索の割合が高かったA社の「nike」が含まれたキーワードのアクセストレンドを見ていきます。

全体的には下降トレンドにありつつも、時期によって増加トレンドを示しています。

では続いて、B社を見ていきます。

こちらも全体的に下降トレンドですが、A社のような増加トレンドは目立たず、冬季にかけて一方的に減少しています。

市場優位性を保つために。

なぜトレンドが異なるのか?

いくつか要因を洗い出してみます。

  • A社が増加トレンドの時期、CMでNIKEに関するアプローチを行った
  • OOHで想起率を高めた
  • 「nike」のキーワードを軸としたSEO戦略を立てた

これらは例えであり、考えられる要因はもっとあるかと思います。

これらの考えられる要因を片っ端から仮説検証を行う。そして導きだした結果から、他社の事例を真似る、ないしは対策案を模索し、戦略立案を行わなければ市場において優位性を保てません。

今回は「nike」のキーワードにフォーカスをあてて解析してみました。

ただ、他にも出現頻度の高いキーワードで「men」「sale」「blue」といった、カテゴリーの異なるキーワードも目立ってたのも特異点です。

企業やサービス内容の規模によって「どこで」または「何で」戦うかは異なってきます。

そして、分析には時間がかかります。

しかしながら、この分析結果から生み出した戦略の質次第で、数年先に自社が市場のどこにいるのかが決まります。

マクロ観点から入り、徐々にミクロ観点まで落とし込んだ分析は、最終的に企業存続ないしはさらなる企業成長に起因します。

まとめ

今回の分析フローをまとめます。

繰り返しになりますが、重要なのは仮説と目的を併せ持って分析を行うこと。

達成すべき目的は事業部、担当業務によってことなります。しかし、企業全体での最終目的はひとつ。

その最終目的から逆算して目的を細分化し、いま、達成すべき目的に見合うデータ解析・検証が必要となってきます。

相対的に有利、かつ、その有利になり方が最も効率的であるような方法をデータから導くことが、いまの時代で求められているのではないでしょうか。
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SNS広告を用いたディレクション、Marketing Automatioを用いたMQLの生成、SimilarWebによるWeb解析に従事。 みなさまのデジタルマーケティング課題解決に寄与できるコンテンツを配信していきます。 記事内容に関しますご質問は、お気軽に弊社or私のTwitterまでご連絡ください。

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